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「兄弟子の白星黒星」 

2016年10月29日 ナビトモブログ記事
テーマ:俳句ポスト投稿

 最近、俳句作りがとみに盛んになってきているという話を聞く。それは、俳人、津軽わさおとしても、嬉しい限りである。

 そんな中、全国の俳句作りのサイトで最も熱気に包まれているのは、「俳句ポスト365」であろう。「俳句ポスト365」は、愛媛県の松山市が運営する俳句の投稿サイトだ。

 「俳句ポスト365」では、入選が「天、地、人、並」に分かれる。入選の「天、地、人、並」の内訳は、各回、天の俳句1句、地の俳句9句のほか、大体、人選の俳句200句、並選の俳句300句だ。

 人選と並選の入選句といえども、全体3,000句程度のたった17%にすぎない。

 天・地の俳句になると、全体3,000句の中で10句だ。これは、至難中の至難である。津軽を拠点とする俳句集団「宇宙(そら)」のメンバー5人による天・地の俳句への挑戦は、これまで27回を数えるが、前回、26回目にして初めて、天・地の俳句のうちの天の俳句に入ることができた。


 直近の「俳句ポスト365」の第155回 2016年9月1日週の兼題は、「湿地茸(しめじ)」である。兼題の説明に曰く。

湿地茸(秋の季語)「しめじ」。食用きのことして一般的。キシメジ科のほんしめじは、径4〜10cmで傘は茶色から灰色をしており、柄は7〜10cmの白色。秋に小楢林や赤松との混生林に生え、上品な旨味、歯切れの良さなどが絶品。

 兼題「湿地茸」に係る天選1句と地選の9句を以下に掲げる。

 湿地茸生う同胞多き大穴牟遅神   天選  笑松    
 

 石づきに湿地ふたたび生えそうな    地選  石川焦点    

 湿地茸裂く湿った龍のにほひして   地選  ことまと   
  

 山彦へ少し残さむ湿地茸狩  地選   まどん     

 ほぐしたるしめぢに木霊二三匹   地選   佐藤直哉
    
 でいだらぼっちの足跡の沼しめぢ茸   地選   樫の木        

 しゃかしめじ子泣き爺の簑に雨  地選  誉茂子     

 しめじ踏み砕き桃太郎一行は    地選   初蒸気
 

 兄弟子の白星黒星しめじ裂く   地選  ぐわ
     
 姫路城みたいなしめじ桐箱に    地選  小泉岩魚      
    

 そして、以下に掲げるのは、俳句集団「宇宙(そら)」のメンバー5人による人選5句である。5人全員の人選5句は、俳句集団結成後1年1か月の初心者集団としては、否、初心者集団でなくても、大健闘である。

 灯影揺れ湿地茸の煮立つ四畳半     人選  津軽わさお  

 ふるさとに荒ぶる火あり湿地茸煮る    人選  津軽ちゃう 

 夜の部の跳ねし楽屋や占地茸汁  人選  津軽まつ 

 炊き出しに一息つく夜しめじ汁    人選  篠田ピンク  

 三内丸山の巨柱見上げる占地茸かな     人選  野々原ラピ
 

 

 以上のように、天・地の俳句と人選・並選の俳句を並べてみると、違いがある。
 

 どこが違うのか。天・地の俳句は、着眼点が独特であるし、表現の仕方がいい。それによって、読者が感じるなるほど感と味わいが深い。

 だから、いい俳句を作るポイントは、できるだけ独特な着眼点で、できるだけいい表現で、できるだけ読者のなるほど感と味わいを深めることにある。

 「俳句ポスト365」の選者にして、今をときめく俳人、夏井いつき先生のお使いになる表現をお借りすれば、天・地の俳句は、「発想のオリジナリティと描写のリアリティ」に優れ、「上質な詩になっている」、ということであろう。

 で、今回の天・地の俳句における創作上の特徴を挙げれば、おしなべてメルヘンの世界ないしは空想の世界で遊んでいることである。



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