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「白痴」 

2016年09月05日 ナビトモブログ記事
テーマ:俳句ポスト投稿

 最近、俳句作りがとみに盛んになってきているという話を聞く。それは、俳人、津軽わさおとしても、嬉しい限りである。

 そんな中、全国の俳句作りのサイトで最も熱気に包まれているのは、「俳句ポスト365」であろう。「俳句ポスト365」は、愛媛県の松山市が運営する俳句の投稿サイトだ。

 「俳句ポスト365」では、入選が「天、地、人、並」に分かれる。入選の「天、地、人、並」の内訳は、各回、天の俳句1句、地の俳句9句のほか、大体、人選の俳句200句、並選の俳句300句だ。

 人選と並選の入選句といえども、全体3,000句程度のたった17%にすぎない。

 天・地の俳句になると、全体3,000句の中で10句だ。これは、至難中の至難である。津軽を拠点とする俳句集団「宇宙(そら)」のメンバー5人による天・地の俳句への挑戦は、これまで24回を数えるが、まだ天・地の俳句に入ったことはない。


 直近の「俳句ポスト365」の第152回 2016年7月21日週の兼題は、「啄木鳥(きつつき)」である。兼題の説明に曰く。

啄木鳥(秋の季語)「きつつき」。キツツキ科の鳥の総称。留鳥だが秋の季語とされる。「けら」とも呼ばれ、色や形状、大きさなどで分類される様々な種類がいる。木に棲む虫を補食したり、また巣を作ったりするために嘴で木をつつく。

 兼題「鵙の贄」に係る天選1句と地選の9句を以下に掲げる。

 啄木鳥や鋸の歯は熱を持ち   天選   山香ばし    

 
 真っ直ぐな木だから叩くけらつつき  地選  ちゃうりん    

 啄木鳥の今樹の皮を抜けた音   地選  大塚めろ   
  

 啄木鳥敲く木屑光となりて散る   地選   香壺    

 啄木鳥のふと夕陽見る五秒間   地選   このはる紗耶     

 きつつきと木を切る音ときつつきと   地選   とりとり        

 小げら小げら木うら木おもて木霊追ひ   地選  めいおう星     

 北ホテル啄木鳥は荷を解かぬうち   地選  葦信夫      

 コッヘルの湯沸き啄木鳥めぐりけり    地選   うしうし      

 啄木鳥の森に迷いてより白痴   地選  理酔     

 そして、以下に掲げるのは、俳句集団「宇宙(そら)」のメンバー5人による人選1句と並選4句である。人選1句と並選4句だが、俳句集団結成後11か月強の初心者集団としては、健闘である。

 けらつつく縄文杉のようなブナ    人選  津軽まつ 

 じょんがらを敲く啄木鳥音の国   並選  津軽わさお  

 赤啄木鳥や女人高野の昔今  並選  津軽ちゃう    

 太古より御座す守部の啄木鳥よ   並選  篠田ピンク  

 山小屋の挙式始めるけらつつき 並選  野々原ラピ

 
 以上のように、天・地の俳句と人選・並選の俳句を並べてみると、違いがある。
 

 どこが違うのか。天・地の俳句は、着眼点が独特であるし、表現の仕方がいい。それによって、読者が感じるなるほど感と味わいが深い。

 だから、いい俳句を作るポイントは、できるだけ独特な着眼点で、できるだけいい表現で、できるだけ読者のなるほど感と味わいを深めることにある。

 「俳句ポスト365」の選者にして、今をときめく俳人、夏井いつき先生のお使いになる表現をお借りすれば、天・地の俳句は、「発想のオリジナリティと描写のリアリティ」に優れ、「上質な詩になっている」、ということであろう。

 付言するに、俳句を作る際の季語との距離間が近いということもあって、天・地の俳句に入っている句があるようだ。
 



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