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「幽霊飴を舐めてみる」 

2016年08月08日 ナビトモブログ記事
テーマ:俳句ポスト投稿

 最近、俳句作りがとみに盛んになってきているという話を聞く。それは、俳人、津軽わさおとしても、嬉しい限りである。

 そんな中、全国の俳句作りのサイトで最も熱気に包まれているのは、「俳句ポスト365」であろう。「俳句ポスト365」は、愛媛県松山市が運営する俳句の投稿サイトだ。

 「俳句ポスト365」では、入選が「天、地、人、並」に分かれる。入選の「天、地、人、並」の内訳は、各回、天の俳句1句、地の俳句9句のほか、大体、人選の俳句200句、並選の俳句300句だ。

 人選と並選の入選句といえども、全体3,000句程度のたった17%にすぎない。

 天・地の俳句になると、全体3,000句の中で10句だ。これは、至難中の至難である。津軽を拠点とする俳句集団「宇宙(そら)」のメンバー5人による天・地の俳句への挑戦は、これまで22回を数えるが、まだ天・地の俳句に入ったことはない。


 直近の「俳句ポスト365」の第150回 2016年6月23日週の兼題は、「五月雨」である。兼題の説明に曰く。

五月雨(夏の季語)さみだれ。陰暦5月(現在の6月頃)に降り続く長雨。雨が降り続くのは梅雨の時季であることによるものだが、「梅雨」がその時候を含めていうのに対し、「五月雨」は雨そのものを指していう。

 兼題「五月雨」に係る天選1句と地選の9句を以下に掲げる。

 五月雨の砂場にヒーロー刺さつたまま   天選  初蒸気    

 
 空の膜たやすく溶けてさみだるる  地選  矢野リンド    

 水かきのあらばさみだれ楽しからむ   地選  くらげを   

  
 五月雨や豚をきれいにして殺す   地選  クズウジュンイチ     

 五月雨や膿んでおるのか革靴は   地選   竹田虎徹     

 一体と数へらる五月雨の帰宅   地選  あらあらた        

 千人を容れて原爆館さみだる   地選  ジャンク洞    

 五月雨の川に小石と寂しき目   地選  Mコスモ      

 さみだれや眼玉乾るまで観る春画   地選  関野無一      

 五月雨や幽霊飴を舐めてみる   地選  雅紀     

 そして、以下に掲げるのは、俳句集団「宇宙(そら)」のメンバー5人による人選3句と並選1句である。人選3句と並選1句だが、俳句集団結成後10か月強の初心者集団としては、健闘である。

 五月雨や馬場に黒毛の尻の湯気   人選  津軽わさお  

 五月雨るる職場帰りの立ち飲み屋   人選  津軽ちゃう    

 五月雨に饅頭けむる中華街  人選  津軽まつ   

 傘叩く五月雨の音ランドセル   並選  篠田ピンク  
 

 以上のように、天・地の俳句と人選・並選の俳句を並べてみると、違いがある。

 
 どこが違うのか。天・地の俳句は、着眼点が独特であるし、表現の仕方がいい。それによって、読者が感じるなるほど感と味わいが深い。

 だから、いい俳句を作るポイントは、できるだけ独特な着眼点で、できるだけいい表現で、できるだけ読者のなるほど感と味わいを深めることにある。

 「俳句ポスト365」の選者にして、今をときめく俳人、夏井いつき先生のお使いになる表現をお借りすれば、天・地の俳句は、「発想のオリジナリティと描写のリアリティ」に優れ、「上質な詩になっている」、ということであろう。

 付言するに、俳句を作る際の季語との距離間は、近い方がいいようだ。
 



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