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釣り師カッチャン

36冊目! 

2016年06月10日 外部ブログ記事
テーマ:テーマ無し

釣行やウオークの合間に読書。先日読破の「破獄」「高熱隧道」に続き吉村 昭 さんの 「漂流」 です。内容・・・・・・・・・・・ 江戸・天明年間、シケに遭って黒潮に乗ってしまった男たちは、不気味な沈黙をたもつ絶海の火山島に漂着した。水も湧かず、生活の手段とてない無人の島で、仲間の男たちは次次と倒れて行ったが、土佐の船乗り長平はただひとり生き残って、12年に及ぶ苦闘の末、ついに生還する。その生存の秘密と、壮絶な生きざまを巨細に描いて圧倒的感動を呼ぶ、長編ドキュメンタリー小説・・・・・・・・・・・・・・ 司馬遼太郎作品の連読同様に吉村さんの作品も連続読破をしたくなる。「史実」を題材とした小説は数多くあるのに、著者の小説が「記録文学」と呼ばれる事が実感として納得できる。・その作品からフィクション的な要素を取り除いた「史実」の部分もノンフィクション作品として一級品でありその作品が史実を題材とした単なる人間ドラマとなっているのではなく、史実と人間が同じ価値を持って描かれていること。又登場する人間も、著者の取材と調査によって得たものからその個性が形作られていること。さらに著者の抑制の効いた文体である。*吉川英治作品・司馬遼太郎作品同様登場人物への愛情がにじみ溢れる心配りが気持ちよく読書を続けられるのかもしれない。  この作品の基になったのは、漂流した人物の手記ではなく幕府の取調べ書である。事実は記されていても、その人物の心情が記されているはずもなくその人柄は事実から推測するしかない。この作品が事実だけを丹念に綴ったノンフィクションであったとしても圧倒的に面白い作品になったに違いないがそれだけではなく「小説」として優れたものになっているのは、やはり、生還した長平をはじめとする、著者の創造によって人格を与えられた登場人物によるものである。肉体的にも精神的にも極限の状況に置かれた人間の強さを見事に描き切った作品である。

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