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私家版・日豪の比較文化人類学 〜群れから抜け出した羊が見たもの〜

6−4 頑固な天気、厳しい干ばつ(その1) 

2010年11月29日 外部ブログ記事
テーマ:テーマ無し

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<b>明日、天気にな〜れ</b><br />
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 日本では「今日雨が降れば明日はきっと晴れる」と予測できて、大方は当たりますね。でも、こちらの天気はそんなに素直ではありません。サンシャイン・コーストは名前の割には年間の降雨日が123日と意外に雨が多いのですが、雨の少ない冬でも少し気温が高めかなと思う日が続くと数日後に雨が降り出し、1週間から10日間も続くことがよくあります。ただ、雨でも1日中降り続くことは少なく、短い時間に激しく降るので多くの人は雲行きが怪しくても傘を準備して持ち歩くことは少ないようです。逆に、雨の後は1か月でも2か月でも晴天が続くことがあるのです。<br />
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 前の日に雨が降り、朝天気が良いので洗濯物を外に干して出かけると、途中で雨が降りだして、妻が「どうして〜っ?」と悔しがることがよくあります。この天気に慣れた今でも、素直に回復しない空模様を「この国の天気は頑固なのだ」と思うことにしています。<br />
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 こうした「頑固」さはこの国の気候の特徴なのでしょうが、最近では地球温暖化の影響として可能性が指摘されているように、豪雨と干ばつの異常気象が立て続けにあって、オーストラリアの人たちも「これはちょっとおかしいぞ」と思い始めているようです。最近の調査ではこの気候変動を76佑旅駝韻重要な問題と捉えています。オーストラリアは温暖化防止のための京都議定書にはアメリカにならって批准を拒否していましたが、2007年11月の選挙で11年ぶりに労働党が政権に就き、ラッド首相がこれを批准して温暖化防止の枠組みに加わりました。破綻のない永続的な地球の後世のためには、遅過ぎたかも知れませんが、当然のことでしょう。<br />
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<b>「1000年に一度の大洪水」に遭遇</b><br />
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 私たちが2005年4月に移住して間もない頃、私の兄夫婦が1週間ほど遊びに来てくれました。6月のこちらは冬で雨が少ないはずの時期のことです。朝早くゴールド・コースト空港に出迎えブリスベンのサウス・バンクに立ち寄り、マウント・クーサ展望台でランチをする頃までは晴れていましたが、次の日からは連日雨、雨、雨……。大自然と美しい景観が取り柄のこの国で雨が降っては観光の価値も台無しです。傘やカッパを用意してあちこち回ったものの気の毒になるほどの降りようでした。<br />
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 挙句の果て、彼らが日本に帰る前日、私たちはまたゴールド・コーストにいましたが雨は止むどころかさらに激しくなるばかり。行くところも無くなってショッピング・センターで買い物をしていましたが、近くのネラング川が氾濫して危険になったとの事で広大なショッピング・センターにいた買い物客が全員非難する騒ぎに巻き込まれてしまいました。そして、その夜テレビを見ていると翌朝兄夫婦が乗る予定の名古屋行きの便が出発するゴールド・コースト空港が冠水のため閉鎖されているというではありませんか。航空会社に勤めるカティアに電話して様子を聞いたり、テレビの大雨情報を見たりで心配な夜を過ごし、とりあえず翌朝空港まで行ってみることにしました。<br />
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 駐車場は流れ着いた枯れ木やゴミがいっぱいで車を止めるのにも苦労をしましたが、カウンターではチェックインが始まっており、どうにか飛行機は飛ぶことが分かって、私たちは小躍りして喜んだのです。観光で喜べず、帰ることが出来ることに喜んだと言うのも笑うに笑えない話ですね。その朝の新聞には「1000年に一度の大洪水」の大見出しが躍っていました。<br />
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 また、息子夫婦が2007年暮れから08年の正月にかけて遊びに来てくれましたが、この時は前後3か月の夏の間、曇りと雨と強風の日が続き、クィーンズランドの北中部を中心に州の面積の3分の2の土地が冠水した日があったほどです。この冠水した面積は日本の国土の3倍にもなりますからその規模の大きさに驚きます。近くのムールーラバで大晦日に打ち上げられる花火も20年の歴史で初めて中止となってしまいました。<br />
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<b>美味しい!?タンクの雨水</b><br />
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<img src="http://img2.blogs.yahoo.co.jp/ybi/1/9a/60/shigemi_akamatsu/folder/832549/img_832549_33635659_0?1291006755" alt="イメージ 1" class="popup_img_370_277 clearFix alignRight"> これだけ雨が降るのだから水には心配がないようですがそれが逆で、近年渇水や干ばつの被害が深刻になってきています。私たちが移住した2005年の1月から5月までの間のオーストラリアの平均降水量が168世筏録的な干ばつで農産物・牧畜に深刻な被害をもたらしていました。そして、ついにクィーンズランドでは1部の地域で2008年から下水道の水をリサイクルして水道に使うことを決めました。住民投票でこの是非を問う時間的な余裕がないほど切羽詰っての決断だったと言います。<br />
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 私たちがまだ日本にいて、カティアの両親が我家に遊びに来てくれたある夏の頃、渇水のため断水となってトイレを汲み置きのバケツの水で流してもらって、大変な思いをしたことがあります。私たちがこちらに来た年の4月、シドニーへ電話をすると、お父さんのマイクは「あの時と同じことがこっちでも起きているよ」とその深刻な状況を伝えてくれました。水は市民生活の基本にも重大な影響を及ぼすことは言うまでもありません。その問題意識は水を空気と同じようにあって当たり前のように感じている私たちの経験よりはるかに厳しいものです。<br />
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<img src="http://img2.blogs.yahoo.co.jp/ybi/1/9a/60/shigemi_akamatsu/folder/832549/img_832549_33635659_1?1291006755" alt="イメージ 2" class="popup_img_370_277 clearFix alignLeft"> 住宅が密集している地域を出ると、あちこちで家の脇に大きなタンクが設置されているのを見かけます。土地が広過ぎて上水道が完備されていないこともありますが、屋根に落ちる雨水を集めて生活に必要な水を確保しようという訳です。空気は汚れ酸性雨も降る日本では考えられないことですが、空気の澄んでいるこちらでは雨水はとても清浄なのです。このタンクの雨水はトイレの水に使ったり、フィルターを通して飲料水にしますが人工的、科学的に作られ、長いパイプを通ってくる水道の水より美味しいという人も多くいます。クィーンズランド州ではこのタンクを推奨していて、新築の家には設置を義務付けたり、既設の建物に設置する場合補助金を出しているのです。<br />
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この項は(その2)に続きます。<br />
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