大相撲、白鵬の発言考・「謝罪は、きちんとしなよ」

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2015年02月08日ナビトモブログ記事
テーマ：スポーツ

最近、物議を醸している大相撲の白鵬の発言。今回の白鵬発言とその経緯には、許し難い二つの問題点がある。

　まず、一つ目の問題点だ。

　産経ニュースの2015年1月26日付けの配信ニュースには、白鵬の審判部批判「偉業」台無し…前夜は「深酒」たたり会見には1時間遅刻、とのタイトルが付いている。

　「記者会見という公の場」に「前夜の深酒がたたって1時間の遅刻」とは、なんたることだ。

　審判部批判の中身をうんぬんする前に、1時間の遅刻、それ自体で、もうアウトだ。スポーツ選手であろうと、一般人であろうと、記者会見という公式の場をセットした以上、遅刻は許されない。これは、社会の常識だ。

　次に、二つ目の問題点だ。

　1時間遅刻の記者会見で、白鵬が語ったことについては、スポニチアネックスの2015年1月27日付けの配信ニュースが【白鵬の発言】と題し、伝えている。

　13日目の稀勢の里戦における取り直しとなった一番に対する審判批判であるが、その白鵬発言の中から、問題だと判断される部分を以下に抜き出す。便宜上、番号を付す。

?　「帰ってビデオ見たけど。子供が見ても分かるような相撲だもんね。なぜ、取り直しをしたのか。」

?　「ビデオ判定は何をしたんだ。」、「もう少し、緊張感を持ってやってもらいたいね。」

?　「元お相撲さんでしょ、ビデオ判定は。しかも、取り直しの重みを一番分かっているはず。簡単に取り直しって本当にやめてくれ」

?　「本当、肌の色は関係ないんだよね。同じこの土俵に上がってマゲを結っていることになれば、日本の魂なんです。」、「こっちは命懸けてやってますからね。」

　以上の白鵬発言を見て、唖然とする。

　?の「子供が見ても分かるような相撲だもんね。」。これは、審判批判などという生易しいものではない。明らかに、5人の勝負審判に対する侮辱発言だ。

　?の「ビデオ判定は何をしたんだ。」、「もう少し、緊張感を持ってやってもらいたいね。」も、同じく侮辱発言だ。

　「ビデオ判定」は、我々がNHKのテレビで観るビデオ判定よりも詳しいものを観てやっているんでないの。5人の勝負審判が異なる角度から勝負を見て、それと「ビデオ判定」とが加味され、勝負審判が下されるのだ。

　?の「元お相撲さんでしょ、ビデオ判定は。しかも、取り直しの重みを一番分かっているはず。簡単に取り直しって本当にやめてくれ」。これは、無礼極まりない発言だ。5人の勝負審判をなんだと思っているのだ。

　?の「本当、肌の色は関係ないんだよね。」の部分は、理解できない。この相撲取りは、いったい何を言っているのだ。通常、「肌の色」うんぬんは、人種差別に関して使われる。しかし、日本の大相撲に人種差別があるとは、これまで聞いたことがない。

　同じく?の「同じこの土俵に上がってマゲを結っていることになれば、日本の魂なんです。」という白鵬発言。しかし、白鵬が「日本の魂」を真に理解できている人間ならば、そうした人間からは、以上の無礼極まりない侮辱発言は出てこない。

　同じく?の「こっちは命懸けてやってますからね。」の発言。命懸けでやっているのは、白鵬だけでなく、他の力士はもちろん、勝負審判だって同じだ。

　今回の白鵬発言は、総じて、侮辱発言であり、無礼極まりない。

　そして、突き詰めれば、白鵬発言は、勝負審判を、そして、大相撲を、ひいては大相撲ファンを侮辱している。同時に、横綱の品格を汚している。

　こんな発言は、許されないし、許してはならない。

　この件に関し、デイリースポーツの2015年1月31日付けの配信ニュースは、次のように伝えている。白鵬　スマステで批判問題を謝罪「多くの人々にご迷惑をかけ、お詫びしたい」、とのタイトルが付いている。

　白鵬は司会の香取慎吾、大下容子アナウンサーに紹介されて登場。冒頭で単独で歴代最多となる33度目の優勝を達成したことへの感想を述べた後、「そして、場所後の件ですが、多くの人々にご迷惑をかけ、ご心配をかけ、お詫びしたいです。そして、これからも頑張っていきます。相撲道の発展のために。ありがとうございます」などと謝罪の弁を発し、頭を軽く下げた。

　
　しかし、この配信ニュースを見て、またまた、この相撲取りはなんだ、と思ってしまう。

　テレビ朝日のニュースバラエティ番組に生出演し、謝罪の弁を述べたからといって、真に謝罪したことにはならない。

　謝罪したといえるためには、まず、侮辱発言をした相手方である5人の勝負審判に対して直接謝罪しなければならない。その次に、少なくても、審判部長及び協会理事長、横綱審議委員長に直接謝罪しなければならない。

　かつ、これらの経過と自身の謝罪の内容及び考え方を、記者会見という公式の場をセットし、説明するとともに、謝罪しなければならない。もちろん、記者会見に遅刻してはならない。

　こういう具合に、きちんとやらないと、謝罪したことにはならない。

　まさに、「謝罪は、きちんとしなよ」。

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