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高橋大輔選手・「度量の大きさ」 

2014年08月27日 ナビトモブログ記事
テーマ:人生

今や、世界のフィギュアスケート界において日本の果たしている役割は大きい。フィギュアスケート競技の技術面においてしかり。アイスショー等の興行面においてしかり。

 そして、今、日本のフィギュアスケート界は、歴史上最高レベルにある。そのことにより、世界のフィギュアスケート界もまた、史上最高レベルにある、と言っていいのではないか。

 世界のフィギュアスケートを語るとき、それにふさわしい選手を3人挙げよと言われれば、私は、次の3人を挙げる。

 高橋大輔選手、プルシェンコ選手、羽生結弦選手。

 この3人の名前を挙げ、フィギュアスケートファンが語り合うと、議論はさまざまになるようだ。人は、それぞれで、ものの考え方、見方が異なるから、当然と言えば当然である。

 
 去る5月26日、ありがたいことに、高橋大輔選手・「プルシェンコ」と題するブログ記事に、Aさんがコメントを寄せて下さった。

 Aさん曰く。

? プルシェンコのことで以前から思っていたことがあります。それは、某金メダリストの発言です。(しかし、彼が嫌いだというわけではありません。彼の演技には感動しますし、あの若さでかなりの実力者であることは否定しません。)

? 彼は、幼少の頃からプルシェンコが憧れの存在であると公言していました。プルシェンコの豪快な4回転の演技は、驚嘆と尊敬の念を抱かせるものであったのでしょう。

? 彼は、年齢が上がりシニアに参戦するに当たり、まず国内での最大の壁が高橋選手であることを早くから認識したでしょう。
 実際、国内の大会でのインタビューでは、高橋選手を「憧れの存在」と何度か評していました。しかしながら、どうもその場のリップサービスに聞こえてしまいました。

? そして、オリンピック後のインタビューで、彼は、「僕はまだ若輩者で未熟者ですし、高橋選手が頑張ってきて下さったからこその金だと思っています」と発言しました。しかし、これは本当に彼の本心なのかと疑問を持たずにはいられませんでした。

? もし本当に高橋大輔という人間、そしてその個性に畏怖の念を抱いていたならば、「賢い」彼ですから、「最大の憧れはプルシェンコだが、高橋大輔選手は、最大のライバルであり、尊敬できる存在であり続けている」というコメントもできたはずです。しかし、そうは言わなかったのは、彼の目は常にプルシェンコにあり、国内の選手は興味の範疇にはなかったということではないでしょうか。

? 「(4回転)ジャンプはプログラムの一つの要素にすぎない。演技は、トータルである」という彼の言葉は、そのまま高橋選手の信念でもあります。しかし、そこに同調した発言を公の場で口にしない彼に、どうしても違和感を感じてしまうのです。

? 高橋選手は、早くから彼を「怖い存在であり、よきライバル」と口にしていましたが、彼から出る言葉は「ライバルなんておこがましい」であり、お互いの存在の温度差がすごく気になっていました。

? 目標に向かって前進していく彼の姿勢は素晴らしいものですが、高橋大輔という表現者を彼は本当はどう思っているのだろうか。ということを、改めて思った次第です。

 Aさんは、羽生結弦選手とプルシェンコ選手との関係を思いやったうえで、羽生選手はなぜ「最大の憧れはプルシェンコだが、高橋大輔選手は、最大のライバルであり、尊敬できる存在であり続けている」とコメントできないのだろう、と違和感を感じておられる。

 羽生選手に関しては、Aさんがコメントして下さる前に、コメントして下さった方がいる。Bさんだ。ありがたいことに、Bさんは、5月12日付けの高橋大輔選手・「幸せにして幸せにされて」と題するブログ記事に、コメントを寄せて下さっていた。

 Bさん曰く。
 
 一言申し上げます。羽生選手の件は全く同意できません。彼が、大ちゃんを見下すような言動がこれまでの映像等で、多々みられます。マスコミに都合よく削除されようとも一度見た人は覚えています。はっきり言って大ちゃんとは真逆の傲慢で、二枚舌の性格が大ちゃんファンの大いなる反感を買っているのをご存知ないのでしょうか。だから、強いのかもしれませんが。

 大ちゃんの件は全くそのとおりです。記事、ありがとうございました。

 私は、このコメントの中身を見て、驚いた。

 Bさんがおっしゃる点については、ご指摘のような映像等を観たこともないし、「大ちゃんとは真逆の傲慢で、二枚舌の性格が大ちゃんファンの大いなる反感を買っている」ことも知らないからだ。


 フィギュアスケートの歴史を振り返る。

 高橋大輔選手が世界に対して実現して観せたのは、ジャンプで切れ味鋭い4回転等とステップ及びスピンで世界一の芸術性との融合である。これは、世界一美しいフィギュアスケートの実現だ。

 このように、世界一美しいフィギュアスケートを創り上げた選手は、高橋選手の前には、男女を通じて誰もいない。

 2006年トリノ五輪女子金メダルの荒川静香選手は、3回転等のジャンプはあるものの、切れ味鋭くはなく、世界トップの芸術性もない。

 そして、男では、2006年トリノ五輪男子金メダルのロシアのプルシェンコ選手。プルシェンコ選手は、確かに、豪快な4回転等のジャンプは持っている。しかし、ステップ及びスピンといった面での芸術性は劣る。

 この二人は、奇しくもトリノ五輪における男女の金メダリストである。彼らが金メダルを獲れたのは、出場選手の顔ぶれのほか、演技と採点とのマッチングに恵まれたとか、さまざまな要素が絡んだことの結果であろうが、だからといって、世界一美しいフィギュアスケートとは言えない。

 私の目から見れば、ソチ五輪の金メダリストである羽生結弦選手のフィギュアスケートは、プルシェンコのスケートとは異なる。彼が目指しているスケートは、高橋選手が信念としているスケートだ、と私には観える。

 これは、論理的にも当然のことである。だって、高橋大輔選手は、プルシェンコ選手を乗り越えて世界一美しいフィギュアスケートを創り上げたからである。

 羽生選手がフィギュアスケートを追求している客観的な姿を観れば、その姿こそが雄弁に物語るものがある。それは、「最大の憧れはプルシェンコだが、高橋大輔選手は、最大のライバルであり、尊敬できる存在であり続けている」ということだ。

 人間は、何かを語るとき、口で表現するとは限らない。口にして言葉で表現せずとも、別な方法で語ることがある。人生とは、そういうものだ。

 AさんやBさんのコメントの中で示されている懸念に仮に事実な部分があるとしても、高橋大輔選手は、そんなことはまったく問題にしない。

 彼は、瑣末なことは、問題にすることなく、すべて飲み込んで、前を向く人間である。精神的にも、人柄のうえでも、彼は、さまざまな特徴ゆえに、希有な存在なのだ。彼の度量の大きさも、特徴の一つである。

 高橋大輔とは、そういう男である。




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