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高橋大輔選手・「歌子先生からの手紙」
2014年08月03日
テーマ:人生
津軽に住んでいる私は、フィギュアスケートの高橋大輔選手に関わることを調べるのは、専らネットによってである。今の時代、ありがたいことに、何でもネット先生が懇切丁寧に教えてくれる。
今日もネットで遊んでいたら、「長光歌子先生の手紙・・・高橋大輔 : 写真でイスラーム」http://mphot.exblog.jp/22262099というブログがヒットした。高橋選手を熱心に応援している方のブログのようだ。
そのブログ記事の中に、「歌子先生からの手紙」という文章がある。歌子先生とは、高橋選手が師と仰ぐ長光歌子コーチのことで、高橋選手がフジテレビの「うちくる」というバラエティ番組に出演した際に、番組の中で手紙が披露されたらしい。
「歌子先生からの手紙」の中身は、ツイッターで目にしたが、残念ながら、津軽では、フジテレビの番組は放送されていない。
なので、私が参考にさせていただくための備忘録として、「歌子先生からの手紙」を引用させていただくことをお許しあれ。
歌子先生からの手紙
大輔さま
こんな風に改まってキミに手紙を書くのが初めてなので、とっても戸惑っています。
キミに初めてであったのは。君が中学2年の夏休み、仙台・泉のリンクでしたね。私がリンクで滑っていると、英子さんに連れられてリンクに入ってきてリンクサイドに佇んでいました。
いつも良い結果の時よりも悪い結果の時の方が、その直後はつらいのですが、後には、いつもキミが驚くほどの大きな成長をもたらせてくれ、私は「人生何事も必然、無駄な経験など一つもない、一見無駄だと思える時間が、実は大変貴重なものなのだ」と教えてもらいました。
ソチの事前合宿地、モスクワのノヴォゴルスクのリンク。決死の覚悟で日本を出発したにもかかわらず、膝は我々が予想したようには良くならず、全く大輔の思い描いていたような練習ができない日々が続きました。
ソチ入りが数日後に迫った夜の練習で、ついにキミの心が折れてしまい、血を吐くような叫び声をあげた時、私は何もしてあげられないまま、ただ大輔の背中をさするばかりでした。
それでも大輔は、ソチの本番で必ず奇跡を起こすと信じて疑わなかった。
あれからはや3か月。
大輔のスケートはまだ完結してはいけなかった。
大輔の内側で、あの結果をゆっくり熟成させ、また立ち向かう強い力が宿った時、新たな奇跡を呼び起こすのではないか。それがどんな場面なのかはまだ分からないけれど、満場の喝采を浴びている、そんな場面を見られる日まで・・・
静かに、と言いたいところですが、今まで通りの口やかましい、キミにとっていつまでもイライラさせられる遠い親戚のおばちゃんのような存在のまま、世界中の大輔を愛する大勢のファンの皆様とともに、待っています。
長光歌子
「キミに初めてであったのは。君が中学2年の夏休み、仙台・泉のリンクでしたね」。
そうか、高橋大輔選手と長光歌子コーチとの一期一会は、東北は、仙台市泉区のリンクだったのか。高橋選手に関することは、初めて知ることばかりだけれど、この一期一会についても、初めて知った。
そして、急にお二人に親近感を覚える。なぜかなれば、津軽のシニアブロガーにとって、杜の都、仙台は、大学生活を送った第二の故郷だからである。
お二人の出会いは、高橋選手が中学2年の夏休み。高橋選手は、今、28歳だから、14年前の話だ。私が仙台に4年間住んでいたのは、それより更に何十年も前で、その頃、仙台市泉区は、泉市であった。で、泉市にアイスリンクがあったという記憶はない。
しかしながら、私にとって、第二の故郷の仙台だけに、仙台市泉区及びアイスリンクがある八乙女周辺には、土地勘がある。
人間は、誰かを応援するとき、その人と少しでも何かを共有できるものがあれば、親近感が湧き、応援に熱が入るものだ。
「歌子先生からの手紙」の出だしは、そういう意味で私には貴重である。
ネット先生曰く。高橋選手を岡山県倉敷市から仙台市泉区のアイスリンクに連れて行った「英子さん」とは、高橋選手のお母さんが理容師として働く理髪店の店主の長女だそうだ。英子さんは、高橋大輔選手の大輔という名前の名付け親でもある。
中学2年の夏休み、仙台・泉のリンク、英子さん。「人生何事も必然、無駄な経験など一つもない」。ソチ五輪に向けて決死の覚悟で日本を出発したにもかかわらず、膝が良くならず、大輔の思い描いていたような練習ができない日々。ソチの事前合宿地で「キミの心が折れてしまい、血を吐くような叫び声をあげた時」。「大輔のスケートはまだ完結してはいけなかった」。
「歌子先生からの手紙」は、わずか数行の中に、14年間という長い年月とその間における高橋大輔選手との旅路を表現している。
高橋大輔少年、英子姉ちゃん、歌子先生の笑いと涙。苦労と栄光と苦難。それらを我々に教えてくれる。
そして、ソチ五輪での経験を踏まえ、歌子先生は、語る。
「大輔の内側で、あの結果をゆっくり熟成させ、また立ち向かう強い力が宿った時、新たな奇跡を呼び起こすのではないか」。
「歌子先生からの手紙」の中で今後に向けてここの部分が最も重要である。私は、まったく同感であり、「新たな奇跡を呼び起こすのではないか」ではなく、「呼び起こす」と信ずる。
歌子先生は続ける。
「それがどんな場面なのかはまだ分からないけれど、満場の喝采を浴びている、そんな場面を見られる日まで・・・」
いや、歌子先生には、その場面がはっきりと観えている。シニアを慮るシニアの勘は、鋭いのだ。
そして、歌子先生は結ぶ。
「静かに、と言いたいところですが、今まで通りの口やかましい、キミにとっていつまでもイライラさせられる遠い親戚のおばちゃんのような存在のまま、世界中の大輔を愛する大勢のファンの皆様とともに、待っています」
やはり、いい意味で、大阪のオバチャンは、おもしろい。
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