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平成の虚無僧一路の日記

伝統的教授方が邦楽をダメにした 

2014年07月15日 外部ブログ記事
テーマ:テーマ無し



先日、アメリカ人のフルート奏者 Pilip 君が、わずか
3時間で、尺八のすべてをマスターした件で、コメントが
寄せられた。「日本では尺八は“旦那芸”、お箏は“お嬢様芸”
なんていっていたのですから、職業音楽家にはかなわない」と
いうような内容。

ほんとにそうだ。私は「ジョン海山ネプチューン」氏から多大な
影響を受けた。彼は、1977年(S52)に来日。1980年(S55)には
第3作目のレコード『バンブー(竹)』で「芸術祭優秀賞」を
獲得した。その間わずか3年である。

私は即、彼に弟子入りした。彼は言う。「尺八は、楽器としては
すばらしい、でも吹きたい曲はない。練習するカリキュラムや
テキストがない。それで、フルートのテキストで練習しましたよ」と。
見せてくれたテキストは 厚さ3cmもある分厚いもの。五線譜で
スケールやフレーズがびっしり書かれている。「これを1フレーズ
500回ずつ練習しました。毎日10時間ね」と。

当時、私は尺八歴20年を越えていたが、練習時間で、すでに彼に
追い越されていた。

そういうことなのだ。日本では、尺八を習いにいくと、『黒髪』や
『六段』『千鳥の曲』といった地歌・筝曲物を吹かされる。ここまで
で3年。そして中伝、奥伝と進んで、10年経たなければ『春の海』や
『本曲』などは教えてもらえなかった。そのうち止めてしまうから、
「尺八を習っていた」といっても、『春の海』や『本曲』をまともに
吹ける人は皆無。さらにひどいのは、ただ曲もわからず、やみくもに
譜面を追っかけるだけで、譜面に書いていない手は、教えてもらえない
から、『六段』『千鳥』すらまともに吹けない。それで、年数だけで
「師範」「大師範」になった人が教えるから、その弟子は 最悪。一生
『六段』『千鳥』まして『春の海』なんか全く吹けない。

私は、ネプチューンの紹介で、多くの外国人に尺八を教えた。
彼らは「1ヶ月、3ヶ月の短期間で 尺八をマスターしたい」と
いうので、まずはスケール(ドレミファ)。そして『春の海』や
『本曲』を教える。そして彼らは、本国に帰って、いっぱしの
プロとなって、クラブで吹いたり、レコーディングして、稼いでいる。

そんな経験から、大河内君にも私は、わずか2年で、尺八の
すべてを教えた。彼は10年でようやくプロとして自立した。

日本の伝統的な教授法は、師匠が弟子から月謝を取るための
システムだ。何か月もかけて一曲ずつ。何曲かを長年に引き
伸ばして、毎月コンスタントに月謝をいただく。2、3年で
プロになられては、おまんまの食い上げ。だから師匠は、弟子が
なかなか上手くならないように仕向ける。そして少しでも頭角を
表すと潰(つぶ)しにかかる。いやな世界だ。

民謡尺八や詩吟も習いにいったが、全く同じ。一曲、一吟を
何日もかけて習う。その時、他の生徒が習っているのを録音したり、
楽譜に指導内容を書き込むことは許されなかった。先に進まれては
上達されては困るのだ。邦楽の教授法は、弟子をしばりつけるために、
やたらと時間をかけて、小出しにしか教えないのだ。

今はもうそんな師匠はいないと思うが。いやそんなことをしていた
ために、どこも、弟子が居なくなってしまったようだ。

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