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スタップ疑惑・「理研、倫理観の欠如」
2014年07月14日
テーマ:暮らし
2014年2月にスタップ疑惑が持ち上がってから、一連の騒動がもう5か月も続いている。そのせいで、残念極まりないことに、日本の科学に対する世界中からの信用は、失墜してしまっている。日本の科学界は、世界中の物笑いだ。
これだけでも、理研発生・再生科学総合研究センター(CDB、神戸市)所属の小保方晴子研究ユニットリーダー、笹井芳樹副センター長、丹羽仁史プロジェクトリーダーのいわゆるスタップ疑惑三人組の罪は、極めて重い。
たとえ、スタップ細胞が「あります、あります」となっても、「ありません、ありません」となっても、日本の科学に対する信用失墜行為を犯した疑惑三人組の罪は、消えない。
だから、結局のところ、疑惑三人組は、CDBから駆逐されてしまう。
以上が科学界のまっとうな倫理観を反映したものの考え方だろう。
倫理観とは、倫理についての考え方である。倫理とは、人として守り行うべき道のことで、善悪・正邪の判断において普遍的な規準となるものである。倫理を裏打ちするものは常識であるとも言えるだろう。
2014年1月28日、スタップ疑惑三人組らは、得意満面でスタップ細胞に関する記者発表を行ったが、元々、理化学研究所は、疑惑三人組が理研内外の研究者と共同で開発したものであり、それは、同時に理研の研究成果であるとのスタンスでいた。
3月14日、理研は、スタップ疑惑について記者会見を開いた。
その席上、野依理事長は、疑惑三人組を「未熟な研究者がデータをずさん、無責任に扱った」と断罪した。しかし、理事長には、「未熟な研究者」を生みだした理研が結局は「未熟な研究所」であることの認識は、頭にない。
CDBの竹市センター長は、スタップ論文を「論文の体をなしていない」と非難したが、「論文の体をなしていない」論文の対外的発表を許容した理研が結局は「組織の体をなしていない」との自覚はない。
あたかも、スタップ論文の不正疑惑は、疑惑三人組が研究者としてやったことで、理研は関与していないとでも言いたそうな印象である。
本来、スタップ疑惑三人組を断罪した以上、その時点で、彼らを所属させている理研としても、理事長及びセンター長がしかるべき時期に責任を取る旨の決意表明があってしかるべきである。
そんなことは思いつきもしない理事長とセンター長は、倫理観において問題ありだ。
案の定、6月12日、理研が設置した外部識者による改革委員会の岸輝雄委員長は、理事長とセンター長について厳しく指摘した。
センター長については、小保方氏のデータの記録や管理について「確認・指導を行う責務を実施していないばかりか、そのような責務を負っていることを認識さえしていないことをうかがわせる」と指摘した。
これは、CDBという組織の長として無能だ、と言っているのだ。
更に、岸委員長は、理事長の責任について、「自分で(進退を)考えると思う」と話した。
これは、ノーベル賞受賞者である理事長に気を遣っただけで、責任を取って辞めろ、と言っているのだ。
そして、極め付きは、ずさん極まりないCDBは、解体せよ、ときた。
以上、理事長とセンター長は、倫理観の欠如を指摘されたに等しい。
6月30日、読売新聞の配信ニュースが「小保方氏、STAP検証実験参加へ…理研発表」と題し、次のように伝えた。
@ 理化学研究所は30日、STAP細胞の2本の論文に関し、追加調査を始めたと発表した。
A 4月までの調査で、画像データの捏造など2件の研究不正が判明したが、その後も新たな疑問が相次ぎ、外部有識者による理研改革委員会は、追加調査を求めていた。理研は、追加調査は不要とする方針の転換に追い込まれた。
B 追加調査で研究不正がさらに明らかになる可能性があることから、理研は小保方晴子ユニットリーダーら論文著者に対する懲戒処分の審査を中断した。
C 一方、STAP細胞の有無を確かめる検証実験に、小保方氏が参加することも正式に発表した。期間は7月1日〜11月30日で、小保方氏の体調が許す範囲での参加になる。理研は4月から検証実験を始めたが、難航しており、小保方氏に参加を求めた。今夏に中間報告、来春に最終報告という予定は変更しない。
このニュースのAにあるが、理研がスタップ論文の新たな疑惑について当初は追加調査は不要としていた姿勢が理解できない。
理研によるスタップ論文の不正認定は、既に確定しているが、だからといって、新たな疑惑について追加調査は不要とはならない。スタップ論文の疑惑については、徹底的に解明されなければならない。それが科学界の倫理である。
理研というところは、理事長とセンター長のみならず、そのほかの幹部に至るまで、ほとほと倫理観の欠如が甚だしい組織だ。
次に、ニュースのBについてだ。追加調査で研究不正がさらに明らかになる可能性があるからといって、論文著者に対する懲戒処分の審査を中断する必要はない。
既に、スタップ論文の不正認定は、確定しているのだから、その事実に基づいて粛々と懲戒処分をすればいい。その際、懲戒処分の実施とその発表に当たっては、追加調査で研究不正がさらに明らかになった場合は、追加の懲戒処分をすると明示すればいいだけの話だ。
日本の科学に対する信用失墜行為を犯した疑惑三人組の罪は、極めて重い。これにより、小保方研究ユニットリーダーと笹井副センター長は、クビだ。丹羽プロジェクトリーダーについては、研究の終盤に参加しただけらしいから、情状酌量はあるかも知れない。
理研が懲戒処分の審査を中断したということは、現時点までの不正認定では、クビの懲戒処分の判断に至っていないということだろうか。まさか、そんなことが。
次は、ニュースのCについてだ。スタップ細胞が「あります、あります」なのか「ありません、ありません」なのか、スタップ疑惑と一連の騒動によって世間を騒がせたことの終末処理として、明らかにしなければならない。
しかし、それは、あくまでも終末処理としてであるから、これに小保方氏を参加させる場合、スタップ論文の新たな疑惑について小保方氏本人の口から対外的に説明させなければならない。そのうえで、理研による追加調査は、それとは別に行っていけばいい。
理研がやることの不手際をあれこれ見るにつけ、理研って、本当に大丈夫なのか、と思ってしまう。理研は、まさに倫理観欠如の研究機関だ。
なお、小保方氏の検証実験への参加は、クビの懲戒処分を行ったうえでも何ら構わない。スタップ疑惑と一連の騒動によって世間を騒がせたことの終末処理として行うものであり、クビにされても小保方氏は参加するはずだ。
だって、小保方氏が一発逆転を狙える最後のチャンスだもの。
スタップ疑惑と一連の騒動は、スタップ疑惑三人組についてはもちろん、理研の倫理観欠如を世間にさらけ出していることだけは確かだ。
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