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人生日々挑戦
新潟弁&北海道弁・「なまら」
2014年01月30日
テーマ:人生
日本列島は、弓なりの形をしていて、東西南北に長い列島である。東西にも3,000キロメートル、南北にも3,000キロメートルもの長さがある。
そのことにより、四季がはっきりしていて、四季折々のさまざまな草花が楽しめる美しい列島である。
そして、多様性は、季節だけでなく、日本人の弁にも表れる。
何事も、多様さがあると、おもしろい。多様さの列島、日本列島は、実にいいところである。
先日、一年で最も寒い時期である大寒にちなみ、ブログ記事を書き、その中で十行歌を詠んでみた。
十行歌「大寒(だいかん)」朗若男女元気よく
ところ変われば 品変わる
ところ変われば 弁変わる
大寒迎え 冴ゆる空
なまら寒いは 北海道弁
うだでぐ寒いは 津軽弁
べらぼーに寒いは 東京弁
めっちゃ寒いは 関西弁
バリ寒いは 博多弁
朗若男女 元気よく
日本列島 いいところ
ブログ記事を読んで下さった方から、「お国なまりはお国の手形」であると教えていただいた。
訛る(なまる)とは、辞書によれば、ある地方特有の発音をすることであり、標準語・共通語とは異なった発音を意味する。
訛り(なまり)は国の手形とは、言葉の訛りを聞くと、その人の生まれ故郷が分かるということである。しかし、この説明には、大事な部分が省略されている。
より分かりやすく言えば、 訛りは国の手形とは、言葉の訛りは、通行手形のように、その人が生まれ育った国を示す証拠となるということである。
江戸時代には、日本列島の全国各地に関所が設置され、人の移動は厳格に制限された。庶民の旅行は自由ではなく、お上(おかみ)の許可が必要であった。
通行手形は、江戸時代に人が旅をしようとするときに、許可を得て旅行していることを証明したものであり、その許可の証として旅行中所持していることを義務付けられた。
通行手形は、その人が生まれ育った国を示す証拠となるが、通行手形に負けず劣らず証拠となるのは、お国訛りである。
けだし、「お国なまりはお国の手形」である。
「十行歌『大寒(だいかん)』朗若男女元気よく」の中に、「大寒迎え 冴ゆる空 なまら寒いは 北海道弁」とある。
北海道弁の「なまら」、津軽弁の「うだでぐ」、東京弁の「べらぼーに」、関西弁の「めっちゃ」、博多弁の「バリ」は、いずれも、お国訛りである。みんな、同意語で、たいそう、非常に、はなはだしく、とても、という意味である。
しかし、お国訛りのニュアンスは、大いに異なる。標準語の「とても寒い」のニュアンスは、気温がマイナス2度くらいなのに対し、津軽弁の「うだでぐ寒い」は、マイナス7度くらい、北海道弁の「なまら寒い」は、マイナス12度くらい、のニュアンスを表現しているのだ。
北海道弁の「なまら」について、フリー百科事典のウィキペディアは、「元は新潟弁で、1970年代に新潟県出身のラジオDJが使ったことから使われ始めた」と教えてくれる。
ラジオ番組の司会者が新潟県出身で、番組の中で新潟弁の「なまら」を使ったことがきっかけだというのだ。
新潟県出身のラジオ番組司会者にとって、札幌で生活しながらも、ふるさと新潟は、片時も忘れることがない土地だ。
彼のアイデンティティー(自己同一性、主体性)の拠りどころは、ふるさと新潟である。そして、いかなる時も、新潟弁が懐かしい。
新潟弁を使えば、十代あたりまでを過ごした新潟の生活、自然、環境、気候、そして両親、兄弟姉妹、友人知人、恩師、等々が生き生きとして、目に浮かぶ。
ふるさととは、そういうものだ。
「なまら」は、懐かしい新潟弁であり、北海道の大地に根を下ろした北海道弁である。
新潟弁&北海道弁・「なまら」について、くだんの方は、「お国なまりはお国の手形。言い伝え、残したいと思います」とおっしゃる。その感性がなまら嬉しい。
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