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心 どまり

十三夜さま 

2013年10月17日 ナビトモブログ記事
テーマ:歳時記

 今夜は、十三夜さまですね!
台風も去り、風流なお月さまが見られそうです。
此処は、お陰様で台風の被害はありませんでしたが、被害に遭われた皆様には、心よりお見舞い申し上げます。

 子供の頃、祖母は十三夜さまのお供えを飾りながら、毎年必ず言っておりました。

 「十三夜さまは、十五夜さまと同じ場所にお供えをし、
  同じ場所でお月見をするのよ!
  悪い事が起きないようにね!」

 当時は、その意味する所までは考えが及ばず、只漠然と受け入れていたように思われます。

 其処で、調べて見ました。
十五夜さまは、中国から伝来したものですが、十三夜さまは、日本固有の風習であり、十五夜だけのお月見は、『片月見』と言って、災いが起こると忌まれていたそうです。

 『片月見』が、禁忌とみなされた背景には、生業と天候にかかわる信仰上の事情があったようです。
十五夜よりも十三夜の方が、晴天になる確率が高い日本の気象状況から見ますと、2回のお月見の内どちらか一方は必ず月を拝し、その年の収穫を祝うと共に、翌年の豊作を祈願したいと言う意識が根付いていたようです。

「十五夜がだめなら、十三夜がある。」

と言った人々の切実な思いから発したのでしょうね!

 また、ヨーロッパにも似た風習がありました。
秋分の日に一番近い満月を『収穫月』と呼び、その次に巡って来る満月を『狩猟月』と呼んで祝ったそうです。
十五夜さま風習が伝来したとされる中国ではなく、ヨーロッパに同じ様な風習があると言う事が、とても興味深いです。

 日本には、古来から完全なものよりも、少し足りないものを良しとする『不足の美』『未完成の美』と言う美学がありまして、満月(望月)よりも少し欠けている十三夜の月の方が、美しいとされたと言う説もあります。

 『徒然草』には、

「すべて、何も皆、事のととのほりたるは、悪しきことなり。し残したるを、さてうち置きたるはおもしろく、生き延ぶるわざなり」の他にも、

「花は盛りに、月は隈(くま)なきをのみ、みるものかは」

と記されております。

 昔は、十五夜の時期は収穫の時期にもあたる為、満月に豊作祈願や収穫を感謝する祭事も行われていたとも伝えられています。現代に伝わる風習は、月を観賞する風習と豊作祈願や収穫感謝の祭事が合わさり広まったようです。

 お供えするお膳には、ススキや女郎花(オミナエシ)などの秋の七草(ハギ・キキョウ・クズ・ナデシコ・フジバカマ)の他に吾亦紅(ワレモコウ)や竜胆(リンドウ)など、秋の花を活けますが是と言った決まりは無いようです。

 薄(ススキ)は、稲穂に見立てたもので、地域によっては稲穂そのものを飾る所もあるようです。
 萩(ハギ)には、神様がお供え物を頂く『箸』と言う意味があり、また 薄や萩には、魔除け・呪術力を持つとされる見方もあると言われております。

 十五夜さまには、里芋や薩摩芋などの芋類を供える事から『芋名月』、十三夜さまには、栗や枝豆・大豆などの豆類を供える事から『豆名月』、十五夜の後なので『後名月』などとも呼ばれます。

 また、お供えするお団子の数には諸説ありますが、十五夜さまには15個、十三夜さまには13個と言うのが多いようです。
月見団子は、『月に見立てたもの』と言う説と、『里芋を模したもの』と言う説がありますが、定かではありません。

 以前は日本各地で、月を信仰の対象として、特定の日の月を、特定の神仏と結び付けて拝む『月待講』と言う行事がありました。
例えば、23日の月を拝む『二十三夜講(二十三夜待・二十三夜様)・勢至菩薩』は、当地でもつい最近まで行われていた行事です。

 『月待行事』には、十三・十五・十六・十七・十八・十九・二十・二十一・二十二・二十三・二十六夜講があり、江戸時代、江戸の町では7月26日の深夜(27日の明け方)の月を拝む『二十六夜講月待ち』が流行り、江戸湾に面した高輪では、月待ちの人々が集まり、その見物客目当ての屋台まで出て賑わっていた様子が、歌川広重の「東都名所高輪二十六夜待遊興之図」に描かれております。

 旧暦7月26日の二十六夜月は『有明の月』と呼ばれるように、月が昇るのは明け方、日の出の少し前ですので、江戸の人々は、ほんのわずかな間しか見えない『細長い月』を見る為に、一晩中待っていたと言う訳です。

 因みに、清少納言は『枕草子』で、

「月は有明の、東の山ぎわに、ほそく出づるほど、
 いとあわれなり」

と詠んでいるように、二十六夜の月にも、より風情を感じていたのですね!

 さあ〜て今夜は、感性豊かな古(いにしえ)の人々と共に、『十三夜さま』を、愛(め)でる事と致しましょう!



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自然災害だけは・・・

良香さん


チワワさんへ

本当ですね!
いつ、何処で、どうなるか解りませんものね!
対策は、心掛けて置きたいですが、自然災害だけは・・・

いつも拍手・コメントをありがとうございます。

2013/10/23 13:46:08

望月の!

良香さん

桃金寅さんへ

「この世をば わが世とぞ思ふ望月の
     欠けたることも なしと思へば 」

藤原道長は、栄誉栄華を極めたお方だからこそ、
この様な句が詠めたのでしょうね!

いつも拍手・コメントをありがとうございます。

2013/10/23 13:39:17

ありがとうございます。

良香さん

みのりさんへ

ありがとうございます。
みのりさんのブログにお邪魔して、毎々楽しませて
頂いております。

拍手・コメントをありがとうございます。

2013/10/23 13:31:16

台風

さん

こちらも雲に隠れて お月様は見えません。
前の日まで普通に暮らしていたのに…
自然災害の恐ろしさを思いました。

2013/10/17 23:08:40

こんばんは

さん

確かに『不足の美』ありますね。望月も美しいですが、道長のように詠ってしまっては…。

勉強になります。

2013/10/17 20:39:44

十三夜〜♪

みのりさん

良香さん

毎日写真に拍手ありがとうございます。

今日は十三夜まんっですね〜〜♪
こちらは曇りでお月様は見えないようです。

写真素晴らしいですね〜♪


*台風の被害がなかったようで良かったですね!

*私も毎日ブログを更新していますので
是非訪問して下さいね

2013/10/17 18:41:37

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