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尺八と横笛吹きの独り言
師範までは長い道のりでした。(パート1)
2013年03月10日
テーマ:テーマ無し
●なんとか都山流尺八師範まで到達しました。そこまでの道のりは長かった。
いつも、「練習しなくっちゃ」「試験曲のあれやって、これやって」そういう呪縛から解き放たれいまはホットしています。
ブログでは優秀な方達のトップ成績の報告などがあるだけで、私のような力のない普通の尺八吹きが師範になった苦戦記事がないものです。これから続く方に、少しでも参考になればと思い記事を書いてみました。
都山流尺八楽会の京都師範試験は3月3日(日)のひな祭りに実施されました。なんとか師範合格いたしましたが、決して優秀な出来ではありません。それでも合格しました。
●まずは前日の3月2日(土)職場で勤めを終えて、東京駅に急ぎました。
写真は出発前の職場での写真だ。
この日は卒業式でして、私も参列致しましてすぐさま早退して東京駅に向かいました。
相棒二人と前泊しまして京都四条に泊まり、翌日の京都試験(午後1時開始)に突入の計画です。二人とも本曲1科目のみの受験で師範試験にチャレンジです。
咳が出始め、ちょいと体調がすぐれません。風邪の前期症状。花粉症もあり、試験本番で咳がでないか不安でしたが、なんとかのりこえました。
東京駅14:00発 のぞみ231号。相棒と東京駅ホームで待ち合わせいよいよ東京から京都に向けて出陣だ。
●京都に着きました。
地下鉄烏丸(からすまる)線で四条下車。京都からすまホテルだ宿泊所。
東京から京都の新幹線代とホテル代込みで26900円。ほとんど新幹線代だけですんだ。
ホテル代はほとんどかからない。
ホテル宿泊と新幹線をセットにするとえらい安くなるね。知らなんだ。
これらの手続きは相棒が全部手配してくれた。
今回の受験は私は「落ちてもやる。本曲はこれ以上やってもそうは変わらない」。
相棒は「本曲の到達度がまだ完全にできてないので、今回は見合わせる」というスタンスでした。京都試験が実施されることを確認して、さらに名古屋試験がないことがわかりました。そこで、名古屋試験にかけていました相棒も・・・・それがないとわかり私とつきあい受験をすることとなりました。
結果的には相棒は優秀な成績で合格致しました。私はようやくの部類でした。
何事も二人で師範を目指してきましたが、おもしろいものです。
私(65才)は無謀にもチャレンジする気持。相棒(58才)は慎重ですが完璧を求める。今回はそれがうまく作用しました。今までよきライバルで切磋琢磨してきました。
●前泊して朝のモーニングを食べて出発。ホテルでも二人で本曲の練習をしていました。
写真が試験会場の都山流尺八楽会本部(京都市北区柴野北船岡町)だ。
思っていたより小さな本部と感じました。三階の木造作り。階段、和室とも古い歴史を感じる邸宅だ。玄関には流祖の銅像が鎮座していました。
地下鉄四条から北大路駅で降車、ここからバスで「千本北大路」下車。徒歩10分が本部の試験会場だ。いよいよ始まるね。10時頃には会場について練習開始。
午後12時30分出席点呼、午後1時に師範試験開始。
●12時30分まで練習。和室の小さな部屋で、15名ほどの師範受験生が練習を開始した。鳥取・三重・神戸・東京・静岡など全国各地から、様々な受験生が本部の京都師範試験に集まりました。
みなさん上手い方ばかり。ウーンあのコンクール常連の芸大生も受験だ。
4科目を受ける方、本曲だけを受ける方様々だ。師範試験曲は10日前にハガキにて発表されている。古曲は「萩の露」、新曲6寸では「春の訪れ」、本曲は「岩清水」、新曲8寸「虫の武蔵野」だったかな?
私は本曲「岩清水」だけの1科目受験だ。他は合格している。
●我々の師匠は40代、地元では音質・音量とも実力のある尺八奏者。親師匠先生は地元では200名を越える隆盛の時代があったそうだ。奥様も箏曲の師範。お二人ともNHKの邦楽技能者養成所を出られている。
相棒も奥様が、箏曲の奏者。みなさん環境には恵まれている。
尺八を吹く環境は、みなさんが一様にそういうもんではあーりませんよ。
知り合いで奥様に尺八を隠されてしまって、辞めることになった方もおられますねん。(京都弁)
さて、fue殿はそれはそれは恵まれていまして、尺八は自宅で主には吹けません。集会所や喫茶店で音源を聞いたり、留守中にそっと尺八を吹くか職場で吹くかの・・・・二者択一。
奥様は尺八が嫌いなのだからしょうがないよね。あの音が嫌いな方もぎょうさんおますんねん。
「今に見ておれ・・・・」とfueどんは発憤したものです。トホホなんやねん。
写真の舞妓はんが「fueさん!大変なことでしたんやねん・・・・ようがんばりました」チュ。
●これが試験曲の「岩清水」だ。この赤のスカシや最初のハローの2吹き2すかし5折り。これができるかが勝負で息と折りがうまくいくかです。緊張するとできません。
すべて譜面を倍徐にして、メトロノームで刻んだこともありんす。(まだ京都弁だ)
スカシを研究し、音源を聞いて本曲講習会を何度もききました。
基本的には拍子を無視しない、しかしあるところは拍子通りではない。何カ所か拍子と違う箇所がある。それを音源から確認した。
●審査された先生とメール交換する機会があり、私の演奏のアドバイスだけをいただいたことがある。「派生音を正確に」「揺っては行けないところを揺らしている」「自己流が出ている」「伸ばしすぎている所がある」などという貴重なアドバイスをいただきました。それまで、感情のままに拍数を度外視して吹いていましたが・・・・1小節の拍数を意識して吹くこととしました。1.2.3.4と心で数えることをしました。
本曲は最初の4〜5行が勝負です。およそ3分から4分・・・・。
まず二段に飛ぶことはありません。「はいそこまで」の3分位で、
これで合否が決まります。
●最初息を大きく吸い、ここで留めてハローと出るとうまくいきます。直前で気づきました。本番は緊張でなにやら平坦な出来でしたが、あんなものかいな・・・・
試験官が宗家お一人で少し救われたかなあ・・・・「ハイ結構です」
と言われたとき・・・・ウーンどうでしたか?静かに和室を出ました。緊張しました。
(咳がでるどころではありませんでした。)
●本日の審査委員には宗家4代目を筆頭に人間国宝の山本邦山先生・川村泰山先生など日本を代表する都山流尺八の重鎮の先生が本曲・新曲・古曲の審査委員でした。
ここからパート2に続きます。
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