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私家版・日豪の比較文化人類学 〜群れから抜け出した羊が見たもの〜

フィッシャー=ディースカウ逝く 

2012年05月19日 外部ブログ記事
テーマ:テーマ無し

 ディートリッヒ・フィッシャー=ディースカウ(Dietrich Fischer-Dieskau)が逝きました。
86歳、ドイツのバリトン歌手でした。
今の若い人たちには彼を知らない人がいるかも知れませんが、
人類史上稀有、最高の歌い手と称えても異を唱える人は少ないでしょう。

 もう半世紀も昔、私も音楽の美しさが少し分かるようになった高校生の頃、
彼が歌うシューベルトの歌曲集「冬の旅」を聴いて、
全身が震えるようなショックを受けたことを思い出します。
柔らかで温かみのあるその声は内省的で、曲の美しさと相まって感動したものです。

 フィッシャー=ディースカウの死が伝えられた同じ18日(2012年5月)、
ベルギーで開催中のエリザベート王妃国際音楽コンクールの作曲部門で
日本の若い作曲家の作品がグランプリを獲得したというニュースが流れました。

 その人は大阪・池田市出身でパリ在住の酒井健治さん(34歳)で、
彼の「バイオリンとオーケストラのための協奏曲」がグランプリとなり、
21日からのバイオリン部門本選の課題曲として演奏されるといいます。

 このところ、ピアノやバイオリンなど演奏家として世界中で活躍する若い日本人は
とても多いのですが、作曲の面ではやや出遅れているだけに
嬉しい知らせでした。
フィッシャー=ディースカウの死とともに音楽界の世代交代を感じます。

 話があちこちしますが、久しぶりに日本に帰って来て、テレビの音楽番組で
とても気になることがあります。
それは、クラシック音楽の番組が極端に少なくなり、その構成がお粗末なことです。

 NHKのEテレで見つけた音楽番組を見て聴いていたら情けなくなってしまいました。
まず、音楽番組は音楽の演奏そのものが一番のご馳走のはずですが、
ゲストに長々とお話を聞き、全体のテーマに関係なく音楽が演奏され、
演奏家に、「あなたにとって音楽とは何ですか」と数十年昔に流行った質問をし、
およそ番組作りの専門家が作ったとは思えない出来で腹が立ったのです。

 一方、民放は相変わらず演歌中心の歌謡番組ばかり。
演歌が悪い訳ではありませんが、私はあまり好きではありません。
それと、新しいバラードなどのポップスも聴いていて歯がゆさを感じます。
というのは、無理に歌詞をメロディーに乗っける曲作りが多く、
ずっこけてしまう「字余り」的な歌が多いからです。
あちこちのメロディーを寄せ集めて作曲しているのではないかと疑うほどです。

 ともあれ、日本が香り高い音楽の環境を整えて行くには
テレビの音楽番組はとても大きな役割を担っていることを再認識して
番組作りに反映させてほしいと思います。
また、作曲家も歌い手もチャラっぽい世間に迎合しないで欲しいものです。

 フィッシャー=ディースカウの死の話がとんだ結論になってごめんなさい。



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