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私家版・日豪の比較文化人類学 〜群れから抜け出した羊が見たもの〜

飾りの枕、不思議な習慣 

2012年03月22日 外部ブログ記事
テーマ:テーマ無し

 よそのお宅にお邪魔して、その家の夫婦の寝室を見ることは
日本ではまずありませんね。
ところが、こちらオーストラリアで暮らしていて、お友だちなどの家にお邪魔すると
寝室のドアが開けてあって、中を見ようと思えば見ることができる場合が多くあります。

 そんな時、ベッドに目をやると、きれいなカバーの枕がたくさん並んでいるのが
通例です。
私など「枕は一人一個あればいいのに、どうしてこんなに多く用意してあるのだろう?」と
いつも不思議に思います。



 ちなみに、こちらの家の寝室は夫婦の主寝室にはアンスイートと呼ぶお風呂とトイレ、
それにウォークイン・クロゼットがセットになっています。
その他に一つから三つほど子供や来客のための寝室があって、
その共用のお風呂が一つあるのが標準です。居間やキッチン、書斎は別です。

 主寝室のベッドは必ずクィーンとかキング・サイズで
シングルのベッドが二つ並べてあることはまずありません。
夫婦喧嘩をしたり、離婚寸前などの場合はどちらかが別の寝室か居間のソファで
膝を抱いて寝ることになるでしょう。

 で、ベッドの枕に話を戻します。
寝る時には使いもしない多くの枕を用意するというのは、それは飾りだからなのです。
ちなみにこうした飾り枕のことを英語ではデコラティヴ・ピロウ(Decorative pillow)とか
スロウ・ピロウ(Throw pillow)と呼ぶようです。
飾りはもちろん自分たちのためであり、また来客・他人が寝室を覗いても
ベッドが美しく飾ってある必要があるからなのです。
来客に寝室を「公開」するのは「親しみ」の一つの表現であるのかも知れません。



 私たち日本人は寝床を他人に見せる、見られるという生活の歴史がありません。
また、布団は夜寝る時に敷いて、朝起きれば押し入れに片付けるというライフスタイル
が長く続いたので、昼間寝床・ベッドをきれいに飾るということなど考え及びもしません。

 ある時、親しい友人の家を訪れた時、やはりベッド・ルームのドアが開いていて
ベッドには7〜8個ものきれいな枕が並べられていました。
私は聞いて良いものか逡巡しながらご主人にその理由を聞きました。
すると彼は「あれはワイフの趣味で、使いもしないものを並べるなんてバカげているよ」と
いうのです。

 その時私は「ああ、これはやはり女性の趣向かな」とは思ったのですが、
彼が「バカげてる」と言ったことの方が興味ありました。
「寝床の歴史」は違っても、やはり使いもしないものを、また本当に寝る時には
邪魔な枕について否定的に感じている人も中にはいるのだと思ったのです。

 海外のあまりにも生活に浸透した習慣だけに、
私たちの目で見るとその理由も根拠も分からず、不思議な気分になっていました。
でも、きれいですから気持ちが良いし、
これでこちらの生活の一端が少し理解・納得できましたね。


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