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筆さんぽ
ワインはおいしいが
2024年05月03日
テーマ:筆さんぽ
能登半島地震で被災した穴水町の「能登ワイン」は、商品を販売展示するギャラリーの営業を再開した、とニュースにあった。
かつて穴水町出身のKさんとおいう仕事仲間がいて、このワインをいただいたことがあるから、うれしく思った。
その味はというと、小難しい言い方があるのは承知しているが、それは省いて、ともかくおいしくいただいた。
ワインは鬱蒼ともいえる歴史をもつお酒だから、どうしても飲む人を気難しくするようである。
それ自体は無邪気な衝動なのだが、どのシャトォの何年ものはどうだとかこうだとかのギロンがはじまると、よほど気があって許しあえる友人同士でないことには、とても、じっと座って聴いていられるものではない。
そこを皮肉ったり、チクリと刺したりすると、たとえばの短編小説ができることになる。
ぼくはというと、そういった知識もないので、シャトォの何年ものなどは気にせず、飲むことにしているし、レストランでワインリストを渡されても、よくわからないので、ハウスワインを注文する。
こだわっているといえば、赤ワインが好きであるということぐらいか。
そして、それらの安ワインにお余りができたら、たのんで肉料理におかまいなしにほうりこんでもらう。たしかに「ワイン効果」がある。好みだが、赤ワインはすき焼きにも合うように思う。
負け惜しみのようだが、安いワインを飲み続けていると、たまにシャトォの年代物などをいただいて口にすると、「上質とはこういうことか」と合点することになる。
これは文学についてもいえないであろうか。
お粗末作品につきまとう嫌らしさをよくよくおぼえておくのが、名作を自分のものにする、たしかな狂いのない方法の一つであると思うが、どうであろう。
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