読書日記

『あまからカルテット』 読書日記200 

2023年05月19日 ナビトモブログ記事
テーマ:読書日記

柚月麻子『あまからカルテット』文春文庫

2010年に『終点のあの子』(未読)でデビューした著者がその翌年の2011年に出版し、2013年に文庫化された本である。

広告文は以下の通り。
ピアノ教師の咲子、編集者の薫子、専業主婦の由香子、カリスマ美容部員の満里子。危うく美しい29歳たちを描く傑作ラブ・コメディ(単行本の広告文)

野蛮な乙女らよ、青春の最終コーナーを突っ走れ! 女子校時代からの仲良し四人組。アラサーに迫り来る恋や仕事の荒波を、稲荷寿司やおせちなど料理をヒントに無事解決できるのか――彼女たちの勇気と友情があなたに元気を贈る! 危うく美しい29歳たちを描く傑作ラブ・コメディ(文庫本の広告文)

私が書店で購入したものは2018年7月の文庫第17刷のもので今年の5月1日に新品を書店で手に入れた。初版から12年、文庫化されてからだと11年、この本が印刷されてからでも5年近くが過ぎようとしているこの本が何故書店に並んでいたのか?

いや、こんなことを書いたのは、主人公たちが「女の幸せ」は結婚にあり、と信じている様な言動をするから。登場人物4人のうち由香子以外の3人は独身。確かバブル時代には「クリスマスケーキ」理論というのがあったようだし、その後「年越しそば」理論、「おせち料理」理論と変化はしてきた様だが2010年ぐらいだと「年越しそば」の時代だったかなぁ。
(と言うか、この理論は今となってはセクハラでしか無い様な気がする)

「恋する稲荷寿司」(咲子が中心の話で花火大会でもらった稲荷寿司の造り主を探す)
「はにかむ甘食」(由香子が子供のころともに甘食を食べたのんちゃんを他の3人が探す話)
「胸騒ぎのハイボール」(満里子は恋人の知り合いが店を開いたと聞き2人の仲を疑う話)
「てんてこ舞いにラー油」(薫子の家のドアにぶら下げられていたラー油のボトル。一体誰が何の為に?)
「おせちでカルテット」(薫子の家に4人がそれぞれお節の一部分を持って集まるはずが、それぞれが別の年明けを迎える顛末)
の5篇からなるが、いずれも軽い日常の謎話。と言うか今まで読んだ著者の作品では『らんたん』(最近募集停止を発表した恵泉女学園大の創始者河井道の生涯を描いた作品)以外はすべて軽い。読んでいる時は楽しいが読み終わると何も残らないというのが著者の作風だと理解しているがまさにそういう本であった。
(2023年5月4日読了)



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