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作品名 家族はつらいよ 2 評価 評価評価評価評価(4)
タイトル 落語を思わせる映画
投稿者 パトラッシュ 投稿日 2017/06/05 19:49:53

愚者の行状を笑いつつ、我が身を振り返る。
「待てよ。自分にだって、あんなこと、ないでもないな……」
かすかに、思い当たる節がある。
その愚行にも、親しみが湧く。
それが落語というものです。

前作を見た際にも、思ったことですが、この映画は、多分に落語です。
ドタバタあり、くすぐりあり、セリフの妙、表情の豊闊などに、
観客は絶えず、笑わされます。

今回の愚者、それは自我に凝り固まった老人です。
周囲から、どれだけ責められようと、車を手放さない。
免許を返上しない。
事故を起こそうとも、懲りることがない。

人生の全てに渡って、彼には、迷いと言うものがない。
それは、いっそ、清々しいくらいです。
しかしながら、周囲は迷惑です。
悶着が、発生しないわけは、ありません。

その摩擦や、軋轢の中に、哄笑が湧くのです。
時に、憫笑であったりもします。
老いへの同情が、そこに加わるからでしょう。

ここしばらく、気が晴れないでいた。
と言う人は、是非、この映画をご覧ください。
さながら、落語の八っつぁん、熊さんを眺め、あれに比べたら、
この俺の方がましだと、自信を得る方が、少なくないように、
きっと心が、安まることでしょう。

自動車運転への、執着を断ちきれない、後期高齢者さんも、
どうぞご覧下さい。
「俺は大丈夫だ」
と自信満々の自分が、世間からどう見られているか、さながら、
鏡を見るように、わかるでしょうから。(笑)

前作のレビューにおいて、私は ☆☆☆☆☆ を付けました。
今回の続編では、敢えて ☆☆☆☆ にしました。
ほんの少しながら、作為が目立つ。
つまり、わざとらしい。
それは、造りがいささか、安易だからでしょう。
笑いの底も、前作より、少し浅いように、感じました。

二作目の不運ということも、あるかもしれません。
初物はとにかく、感動が大きいのです。
料理では、よくあることです。
慣れると、人間と言うものは、点が辛くなるのです。

しかしながら、☆☆☆☆でも、楽しい映画であることに、
変りはありません。
皆様にお薦めすることに、躊躇いはありません。

私が映画館に行ったのは、昨日の四日。
その前日に、残念なことがありました。
主演、橋爪功の息子が、覚せい剤所持とかで、逮捕されたのです。
皮肉なことです。
息子を選ぶことは、出来ません。
橋爪さん、文字通り「家族はつらいよ」になってしまいました。

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コメント

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おかちゃんさん

偶然とは言え、橋爪功さんにしてみればまるで息子の不祥事を
見越して付けたかのようなタイトル、辛いでしょうね。

2017/06/05 20:17:14

パトラッシュさん

おかちゃん、
こんなことも、珍しいですね。
ぴったりと符合してしまいました。
これが、興行収入に、どう影響するか……
少なくとも、プラスには、ならないようです。

2017/06/06 05:51:01

タンポポ@さん

こんばんは。ご無沙汰しています。
私も先週観て大いに笑って来ました。
そしてその時が来れば、潔く車を手放さねばと
思いました。

大切な愛車手放す時が来る  タンポポ

お粗末様でした<(_ _)>

2017/06/06 22:37:05

パトラッシュさん

たんぽぽさん、
ご覧になりましたか、この映画。
面白かったですね。

愛別離苦は、この世の定め。
車ばかりでなく、すべてのものと、いずれは別れなければなりません。
心構えだけは、しておきたいものです。
聡明なたんぽぽさんなら、もちろん、心配はありませんけれど。

2017/06/07 07:36:52


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