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のんびり。
「限りある日を愛に生きて」
2021年03月02日
テーマ:テーマ無し
〔1967年/日本〕伊藤紀子(高田美和)は、20歳の時、重度の心臓病になり、入院する。不安な毎日を過ごす紀子のために、兄の文學(山本耕一)は、新聞の読書欄に、「心臓手術をする妹を激励してやってほしい」と投稿したところ、多数の手紙が届く。その中の1通、新聞配達をしながら大学受験を目指す草薙実(太田博之)と文通をするようになった紀子は、実に会いたいと思うようになる。文學の計らいで、病院にやって来た実は、紀子を励ますが・・・。雑誌の編集者で実業家の伊藤文學さんの、妹さんの実話なのだそうだ。難病の少女と、青年が文通を通して愛を深める実話というと、吉永小百合さんの、「愛と死をみつめて」を思い出すけれど、紀子さんの闘病生活と、「愛と死をみつめて」は、どちらも、1960年前半の、ほぼ同じ時期の出来事のようだ。映画的な演出もあるだろうけれど、紀子さんと同じ病気で入院している、幼い少年や、同世代の女の子たちは、手術をしても、二度と生きて戻れないケースが多く、その度に、病室が、悲しみと、絶望に包まれるのが辛い。それでも、紀子さんの手術は成功し、紆余曲折の末、実さんと結婚する。悲しい終わりでなくて、本当に良かった。ところで、伊藤文學さんと言えば、ゲイ雑誌、「薔薇族」を創刊された方として知られているけれど、以前、何かのきっかけで、伊藤さんに興味を持ち、図書館にあった「薔薇ひらく日を−『薔薇族』と共に歩んだ30年」という本を読んだ。伊藤さんご自身は、同性愛者ではないけれど、まだ、世の中が同性愛に対して、全くの無理解であった頃、偏見をなくそうとして、大変なご尽力をされていたのが伝わる、真面目で、素晴らしい内容だった。一つ、覚えているエピソードで、伊藤さんが人づてに聞いた話として、”ある書店で、少年が万引きをして捕まった。その時、盗んだのが、男性向け同性愛の雑誌で、少年は、さらに好奇の目を向けられることになってしまった。私は、その事を大変に残念で、悔しく思う。もし、私が店主だったら、警察が来る前に、せめて、その雑誌を一般誌と取り換えてやるくらいの配慮をしたのに”と、そんな内容だったと記憶している。ちょっと分かるな。もちろん、万引きは絶対にしてはいけない事だし、警察に突き出されるのは当然の事だけれど、少年は、その雑誌をレジに持っていく勇気がなかったのかもしれない。まぁ、世の中、そんなに甘くはないから、配慮を求めるのは、難しいのかもしれないけど、..
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