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不幸をかぶせていく『ブリング・ミー・ホーム 尋ね人』 

2020年10月25日 外部ブログ記事
テーマ:テーマ無し


 キム・スンウ監督『ブリング・ミー・ホーム 尋ね人』は行方不明になった当時7歳の息子を探し続ける母親・ジョンヨンが、漁村の釣り場でみかけたという情報を頼りに、子供を取り戻そうとするお話。これがまた出る人物がろくでもない人間ばっかり。情報提供者を裏で操って金をせしめている親戚の男、鹿の親子を猟銃で撃って、動物を死に至らしめる快感に活き活きしている警察官。子どもをいきなり背後から海に突き落としてえへらえへら笑ったり、子どもが抵抗できないことをいいことに性的な対象にする頭の弱い、知的障がいを持った男・・・・・と、狭い自己満足の陰険な楽しみの中で、生息している人達が次々に出てくる。さらに、物語も子供が行方不明になった時点で母親は充分、耐えがたい哀しみに落とされているのに、追い打ちをかけて不幸をかぶせていく。独特な暗い映画なのだけど、次の展開を追いかけているうちに映画は終わっていたので、けっして退屈な映画ではない。しかし、さすがに、あまりに救いのなさに観終わった後に、『この映画はいったい何を描かんとしたのだろう?』と、思ってしまった。「チャングムの誓い」という韓国が誇るべき傑作ドラマの主演を務めたイ・ヨンエは、かの金正日(キム・ジョンイル)総書記も熱狂的ファンだったことで知られる国民的女優。なぜ14年ぶりだという映画に、この不幸てんこ盛りのドラマを選んだのか。14年前の『親切なクムジャさん』(05年)も、復讐鬼と化す母の役で、ひょっとしてチャングムのような優等生的でもあるが可愛らしく明るい女性よりも、実はこの映画のようなドロドロ系の映画が好きなのか?などとも思ってしまいそうだ。イ・ヨンエは「『ブリング・ミー・ホーム 尋ね人』のシナリオを見て、新人監督にも関わらず、魅力的なストーリーと崇高な母性を立体的に見せてくれるキャラクターに大きな感銘を受けて監督と会い、実際に二児の母親として母親の気持ちに対する話を伝えながら作品への愛情を示した」と伝えたとのこと。映画を観た後で、この映画を作成した背景の記事を選択して読んでみた。韓国の失踪する児童たちの社会の闇を描きたかったと、思えてくる。韓国における届け出があった18歳未満の失踪児童の数は、毎年2万人前後に上る。釣り堀の“ファミリー”の中には、ジョンヨンの息子同様、何者かによって、ここに送り込まれた知的障がいを持った人物も登場する。ここから察するに、スンウ監督は14年に発覚した「新安塩田奴隷労働事件」からも、大きなヒントを受けたといえるだろうと、くれい響氏は指摘している。さらに、くれい響氏はこのように述べている。違法な職業斡施業者に誘われ、離島に送り込まれた知的障がい者たちが、塩田関連施設で劣悪な環境と周囲の黙認の下、強制労働させられていた怪事件は、女性記者の視点で描かれた『奴隷の島、消えた人々』(16年)でもテーマになっており、本作と観比べることで、さらに“恐るべき闇”が見えてくるかもしれない。と、いうような背景を理解したうえで、もう一度観たら,印象も変わってくるのかな? 

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