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幽霊に貰った力こぶ 

2020年07月29日 外部ブログ記事
テーマ:テーマ無し



幽霊にもらった力こぶ
(山形県南陽市で渡辺記美子さんの語りを、藤井和子さんが書き起こされたもの)


昔々、ある村の山奥になんとも気味悪い沼あったんだと。
その沼のそばを行くとな、
「もお〜し も〜し」と気味悪い女の声が聞こえてくるんだと。
だもんだから、幽霊だ、幽霊だってみんな怖がって、誰もいかなくなった。


あるとき村一番の力持ち、源五右衛門と言う人が、
「ほんだら、俺行って退治してくら」と 夕方出かけて行った。
しばらく沼のほとりにたたずんでいたが、何も聞こえてこない。
帰りかけた時に、やっぱり沼の底から「もお〜し、も〜し、も〜し」と、女の声が呼びかけてきた。
「何、用あんのか?」と言うと、
「私はこの沼に、身投げして死んだものですが、南無阿弥陀仏百万遍続けて唱えないと、極楽には行けません。一生懸命唱えるのですが、この赤ん坊が途中で泣くのです。どうか私が南無阿弥陀仏と唱えてる間赤ん坊の子守をしてくれませんか」
「ああ、そげなことか」
源五右衛門はその女ごから、赤ん坊を受け取った。


その子の軽いこと軽いこと。(こんな軽い赤ん坊、世の中さいただべか?)と、思うほど羽のように軽い子だった。


その女ごは、沼に向って一生懸命南無阿弥陀仏を唱え始めた。
なんと不思議なことに、一回南無阿弥陀仏と唱える度に、赤ん坊はズンと重たくなって行く・・・不思議なこと有るもんだなと、思いながらその赤ん坊を抱いていた。


10万遍20万遍30万遍・・・なんと赤ん坊の重たいことよ。そう思いながら抱いていた


40万遍、50万遍、60万遍になったら、なんと泣き出した。
「泣くな泣くな、お前のおっかあはな、百万遍唱えないと、極楽さ行かれねえんだと。おめえも一緒に行かんなんねえんだからな、泣くな」といいながらあやしていた。


70万遍、80万遍、90万遍、になると重たくて重たくて、足をぐっと踏ん張ると土にめり込んだ。手はもう棒のように突っ張った。もう少しだ頑張れよ!自分に言い聞かせて、しっかりと赤ん坊を抱いていた。


とうとう女が100万遍唱え終わった。
「有難うございました。おかげさまで百万遍唱えることが出来ました」
女はとても清々しい顔をしていた。
不思議にもあれほど重たい赤ん坊を、ひょいと源五右衛門の腕から受け取った。
・・・なんとすごい力持ちだな。源五右衛門はぶったまげた。
女は、「あなたにお礼を差し上げたいが、何が良いでしょう」
「いやいや、そなたの力は大したもんだ、その力を分けてもらえますかな」
そう源五右衛門が言った途端女の顔は鬼のようになった。
源五右衛門は胸倉を掴まれ、天高く放り上げられた。そのまま地面に叩きつけられた源五右衛門は、気を失った。


はっと目を覚まして、世の中おっかねえこと有るもんだな。こおだなおっかないことははじめてだ。
ひょいと起き上がって見て、おや?おらの体いままでと違うようだ!?
試しに脇にあった大きな石を手で押してみると、グラグラっと動いた。ああ、おら、いま素晴らしい力もらったんだ。ありがたいことありがたいこと!
そして思った。この力は幽霊にもらったものだ。俺一人の物ではないぞ。


村に帰るとこの力を使って村のために役立てた。村人たちは源五右衛門の力こぶはたいしたものだと、うんと感謝したということだ。


どんぴんと。

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