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のんびり。
「家族を想うとき」
2020年01月05日
テーマ:テーマ無し
〔2019年/イギリス〕イギリス・ニューカッスルで暮らすリッキーは、宅配ドライバーの仕事に転職する。社員として雇われたのではなく、個人事業主として、預かった荷物を運ぶという雇用形態。その為、車もバンに買い替えた。妻のアビーは、介護福祉士をしている。認知症や体の不自由な老人の世話をする、神経を使う仕事だ。思春期の息子・セブは、不良がかった仲間とつるんでいて、学校を休みがち。リッキーと顔を合わせると、つい言い争いになってしまう。小学生の娘・ライザは、そんな家族の不穏な空気を敏感に察知し、少し不安定に・・・。働いても働いても、楽にならない暮らし。いや、むしろ、働けば働くだけ、貧しくなっていくような気さえする。「ワーキングプア」という言葉を最近、よく聞くけれど、それを目の当たりにしたような衝撃。家族のために、家が欲しい、そう望んで転職したはずだったのに、何もかもが上手くいかず、八方塞がりな感じに、息苦しささえ覚える。一体どうすりゃいいんだ、と、観ているこちらの胸が潰れる思いがする。リッキーがしているような、労働の形態、最近、日本でも、同じ話を聞く。会社の方は、保険も、労災も、何も掛けずに、何かあれば、自己責任という形で、負担が少ないのは分かるけど、働いている方は、薄氷の上を歩いているように、心もとなく、病気や事故になれば、全てが立ち行かなくなる。さらに、この映画の場合、問題は、長男のセブ君。この子は、根は優しい子だと思うのだけれど、喧嘩をしたり、万引きをしたりして、その度に、両親は学校に呼び出される。宅配の仕事で疲れ果てている上に、一日も仕事を休めないリッキーは、呼び出しに応じる事も難しく、そんな事を繰り返されたのでは仕事を失ってしまう。セブ君、お願いだから、余計な仕事を増やさないで。ご両親は、あなたと、あなたの妹の幸せのために必死に働いているのよ、あなたのせいで、ご両親が仕事を失ったら、困るのはあなたなのよ、と、フィクションなのに、呼びかけたくなってしまう。一つだけ。こんな苦しい状況でも、やっぱり全員がスマホだけは持ってるのね。昭和の貧乏とは違った、これは、新型貧乏。世界は一体、どこへ向かっているんだろう。評価 ★★★★☆〓
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