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敏洋’s 昭和の恋物語り

せからしか! (七) 

2019年12月03日 外部ブログ記事
テーマ:テーマ無し



 小学三年か四年のことだと記憶している。
 現在の私を決定づけるような事件が起きた。
私にすれば、大げさではなく、殺人未遂だと思える事柄だ。
夏休みのことだが、県外に出張することになり長期間一箇所に留まることになった。

 海水浴場の海の家の一角を借り受けることになり、そこを生活の基盤とすることになった。
国道横に防風林としての松がたくさん植わっており、そこを通り抜けていくと、遠浅の砂地がある。
そうだった、松林の手前に店が並んでいた。
八百屋に駄菓子屋、そして記憶にあるのが散髪店だ。

 国道に出るまでの道沿いにそれらの店はあったけれども、砂地の道であり店の中は砂だらけだった。
床そのものが砂地だったのかどうか、そこまでは覚えていない。
なので、しっかりと踏みしめて歩かなければ滑り転ぶ恐れがあった。

 散髪店もまた然りで、風が強い日などはしっかり戸を閉めていても砂が舞ってしまったこともあった気がする。
大鏡の縁には砂が入り込んでいたし、鏡面も小さな傷だらけだった。
誰だったかが、「こんな鏡じゃ、俺のいかす顔が見えないじゃないか」と、大真面目にこぼしていた場面に出くわした覚えがある。

 所々が剥げかかった長椅子に座って順番待ちをしていたが、壁に貼ってあるビールのポスターに見入っていると、横に居た大人にからかわれた。
「坊や。あの姉ちゃん、誰か知ってるのか? えらく真剣に見てるけど」
「うん、知ってる。ぼくの母ちゃん」

 そこには、ビール瓶を持ってにっこりと微笑むミス日本に選ばれた山本富士子がいた。
私の母もまた地方ではあったけれども、ミスコンテストの優勝者だと教えられていたので、そう答えたのだと思う。
勿論大笑いとなったけれども、なぜ大人たちが笑うのかは分からなかった。

 一度しか入ったことがないはずなのに、よくもこれだけのエピソードを覚えているものだと自分でも感心するけれども、テレビなどというものを初めて観たということからも、より記憶を高めたのだと思う。

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