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吾喰楽家の食卓

落語協会の新真打四人 

2019年11月12日 ナビトモブログ記事
テーマ:古典芸能

この秋、落語協会では四人の真打が誕生した。
九月下席から、鈴本演芸場、末廣亭、浅草演芸ホール、池袋演芸場、国立演芸場で、真打昇進襲名披露公演が行われてきた。
国立演芸場十月上席の千穐楽をもって、五十日にわたる公演が終了した。
その間、先週の金曜日だけが、一日に二公演あった。
期間を通じて、この夜席だけに、新真打の四人が顔を揃えた。

八日目の夜席を見るだけで、落語協会新真打の全員を見られるから、実に効率が良い。
そう考えた人は、私だけではなかった。
先月、先行発売を開始する一日の午前十時に、チケットセンターへアクセスしたが、最前列中央の席は取れなかった。
下手側だが、最前列だったから、上出来だろう。
勿論、当日は、満員御礼の立て札が出た。

新真打とは、柳家ほたる改メ“柳家権之助”、初音家左吉改メ“古今亭ぎん志”、“柳家わさび”、柳家喬の字改メ“柳家小志ん”の四人である。
わさびだけは、テレビで見ているが、他の三人は全く予備知識がなかった。
それぞれ、『湯屋番』、『町内の若い衆』、『券売機女房』、『芝浜』を、口演した。
『券売機女房』だけは、新作落語で、初めて聞く噺だった。
以下、それぞれの感想を簡単に述べる。

■柳家権之助
師匠は柳家権太楼。
『湯屋番』は、勘当された道楽者の若旦那が、奉公先の湯屋(銭湯)の番台で妄想を繰り広げる噺である。
訛が強い女中を登場させたが、個性がありすぎて、肝心のお妾さんの影が薄くなった感がある。

■古今亭ぎん志
師匠は初音家左橋。
新真打の中では最高齢だが、少し緊張していたようだ。
経験を重ねれば、渋い声を活かした、いい噺家になると期待している。

■柳家わさび
師匠は柳家さん生。
入門は一番早いが、最年少で、テレビの印象より更に若い感じがした。
父は作曲家、本人は芸術学部の卒業で、師匠は落語研究会の先輩らしい。

■柳家小志ん
師匠は、柳家さん喬。
トリを務め、大ネタの『芝浜』を口演したこともあるが、独断と偏見で評価すれば、四人の中で一番上手い。
しかし、目頭が熱くなることはなかった。

   *****

写真
11月8日(金)撮影:国立演芸場のロビー・八日目夜席の演題



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