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老いてなお
>>猫の命を救い、受刑者の心の回復も後押し 米刑務所で保護猫ケア
2019年03月31日
テーマ:テーマ無し
アメリカの刑務所や少年院では、犯罪や非行をした人たちが動物の世話や訓練をするプログラムがさかんにおこなわれている。
先駆けとなったのは、1982年にワシントン州の女性刑務所で始まった「プリズン・ペット・パートナーシップ」(PPP)。
以来、刑務所で介助犬を訓練したり、保護犬を家庭犬として
しつけるプログラムなどが全米各地に広まった。
近年は、受刑者の力を借りて飼い主のいない猫を人に慣らし、殺処分を減らそうという保護猫の社会化プログラムも増えている。
十分な時間と人手をかければ救える
命がたくさんあるのに、シェルターは満杯。
刑務所にいる人たちに一時預かりの
ボランティアをしてもらえないだろうか。
2006年にワシントン州で最初に始まった
保護猫プログラムは、そう考えた保護団体と、
受刑者に社会的意義のあることをさせたいと
考えた男性刑務所が連携してスタートし、
次々と他の施設にも広まった。
施設によっては子猫中心のところもあれば、
成猫オンリーの施設もあるが、ワシントン州にある
ミッション・クリーク・コレクションズ・センター・
フォー・ウイメンという女子刑務所
(前述の女子刑務所とは別の施設)では、子猫や負傷猫の
預かりのほかに、妊娠している母猫の出産・
育児のサポートにも力を入れている。
多くの女性受刑者は母親でもあるので、子猫を育てることは自分自身の子どもとの関係を考えるうえでもプラスになるという。
施設の担当者は、生き物と暮らすことによって、
女性たちが精神的に安定することが最大のメリットだと語る。
「パニック障害があるなど、強い不安を抱えている人にとっては、愛情に応えてくれる存在が大きな支えになる。
受刑者の問題行動や違反行為も減りました」
塀の外では動物看護師だったというある女性はこう話した。
2015年にスタートしたミッション・クリークの
保護猫プログラムは、過去3年間に71人の受刑者が
参加し、291匹の猫をケアした。
大塚敦子*フォトジャーナリスト、
写真絵本・ノンフィクション作家。
上智大学文学部英文学学科卒業。
紛争地取材を経て、死と向きあう人びとの生き方、
人がよりよく生きることを助ける動物たちについて執筆。
近著に「〈刑務所〉で盲導犬を育てる」
「犬が来る病院 命に向き合う子どもたちが教えてくれたと」 「いつか帰りたい ぼくのふるさと 福島第一原発
20キロ圏内から来たねこ」
「ギヴ・ミー・ア・チャンス 犬と少年の再出発」など。
写真、
自分たちの居室で子猫を遊ばせる女性受刑者たち、大塚敦子
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