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平成の虚無僧一路の日記

もりたなるお『虚無僧秘帖』 

2018年10月22日 外部ブログ記事
テーマ:テーマ無し



もりたなるお著『虚無僧秘帖』(新人物往来社)。虚無僧を主人公に9編の話を綴った短編集。虚無僧が 食事の時も 風呂に入る時も、寝る時も 天蓋をとらないなど、「えぇ!?」と思う箇所はあるが、その他は 涙が出るほど うれしい内容だ。たとえば、幕末最後、新撰組は官軍を迎え討つべく甲州勝沼に出兵する。その時、多くの兵が戦う前に逃亡していく中で、青梅鈴法寺の虚無僧が 「徳川への恩顧」と、新撰組に味方する。といっても、刀、鉄砲で戦うのではない。尺八を振りかざすのでもない。ただ尺八を吹いて、官軍の進撃を阻止する盾となる。死をも怖れず、ひたすら尺八を吹き続け、散華する。これぞ「普化宗」だ。「家康公のお墨付」によって特権を得ていた虚無僧である。幕府に殉じて 消えていく。それを象徴的に描いたのだ。もうひとつ、普化宗は明治政府によって廃止される。社会の迷惑的存在だった虚無僧は、村人から石つぶてを投げられる運命に転落する。虚無僧といっても悪ばかりではない。善なる虚無僧もいた。その一人「冬山氷人」は、村人から追われ、山中深く籠もる。そして、毎日 滝に打たれての修行を続け、滝の水も凍る寒い日、滝の中で氷づけとなって死んでいく。これぞ究極の「全身脱去」の行。虚無僧集団をよく理解した上で「こんな事もあったかもしれない、あってもよかった」という リアリズムがある。作家の推理力に脱帽。 

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