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呉服商の寿命 

2018年06月22日 外部ブログ記事
テーマ:テーマ無し



呉服商の寿命
中国のお話です。
黄河上流の北側の町に、反物を売る呉服商の店がありました。呉服商はあちこちの街に出かけて行って手広く商いをして居ました。
その日も、黄河を越えて南の街へ商いに行きましたが、よく当たる占い師がいると聞いたので、占ってもらいに行きました。
しかしその易者は呉服商の顔を見るなり、「なぜ南に旅をしてきたのか? すぐに家に帰りなさい!」と怒鳴りました。慌てた呉服商は易者の言う通り北の方の我が家に向かいました。
  その途中呉服商は小使いのような短い着物を着た男と道連れになりました。呉服商はその短い着物の男と、あれこれ話ながら旅をして、道々食べ物を買っては分けあいながら食べ、また食事もご馳走しました。その男はそれをひどくありがたがりました。
呉服商が「あんたはいったい何をしているのかい?」と尋ねると、その男は「捕まえる者がおるんで、あんたの街に行く所でさぁ。」と答えました。呉服商は笑って聞き返しました。「いったい誰を捕まえにいくんだい?」男は「親切にしてもらったお礼に教えるが」と何人かの名前が書いてある書きつけを呉服商に見せました。その書きつけの一番最初に呉服商の名前が書いてありました。「俺は生きている者じゃねぇ、高里山、山東四司の手先でさぁ。 寿命の尽きたものから魂を取るのが仕事なんだ。あんたの寿命はもうじき尽きるってことですよ。」呉服商は驚いて、地面に頭をこすりつけてその男に命乞いをしました。「俺にはそれは出来ない事でさぁ。ただ、書き付けにはたくさんの名前が書いてあるで、みんなひっつかまえるには、まだかなりの日数がかかります。あんたを最後にするから、早く自分の家に帰って、後の始末をつけなせぇ。それが今までのつき合いに報いられるせめてもの事だと思ってくだせぇ。」男はそう言って呉服商を起こし、また歩きはじめました。
  二人が黄河のはたまで来ると橋が流され、行き来が出来ず多くの人が困っていました。すると男は呉服商に、「あんたはもうすぐ死んで、その時にはお金は一文も持っていけねぇ。すぐに橋を架けて、旅の人の役に立ってやりなせぇ。お金はずいぶんかかるだろうが、あんたのためになるかもしれねぇ。」と、言いました。  
  呉服商はその通りだと思い、家に帰ると妻子に話して、死に仕度をすると、日を限って大勢の人夫を雇い、橋をつくらせました。橋はしばらく後に完成し、呉服商は覚悟を決めて死ぬのを待ちました。しかしあの男は現れませんでした。
  呉服商はおかしな事があるものだと思っていた所、あの男がひょっこり現れました。
「俺はあんたが架けた橋の事をうぶすな様にお知らせした。たぶん、うぶすな様から冥府の司に連絡が行ってあんたの寿命が延びたんだろう。あの書き付けからあんたの名前が消えちまったよ。」
呉服商はその男といつものように食事を共にし、酒を飲みました。翌朝男は消えていて、以来二度と出会う事はありませんでした。
                    聊斎志異より 「布客」

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