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「能」を読んで 

2017年09月28日 ナビトモブログ記事
テーマ:四民の方外に出る

能楽師 安田登の本です。新潮新書。
能なんて全く縁のなかった私ですが、たまたま本屋で徘徊してたところ、見つけました。

先代野村万作のネスカフェのコマーシャルくらいしか、と思ったら確かこれは「狂言」だったような。

でも能も狂言も能楽で演じる役者は能楽師と言われるそうです。

能は650年の歴史があるそうですが、私にとってはただただ眠たい印象しかなく何が面白いんだろうと思っていました。

名前は忘れましたが、海外の著名な映画監督も能のファンで、眠たくて始まって5分くらいしたら寝てしまうそうですが最後の5分くらいには不思議に目を覚ましてじっと観るそうです。
意味がよくわかりませんが。

以前立ち読みで「風姿花伝」という本をぱらっと見て何かインスパ癒されそうな本だと思ったのでした。
それが能を発展させた大立者観阿弥・世阿弥親子の子供の方の世阿弥が書いた本です。

もう一つ「能」に惹きつけられたのは、単純に何かありそうとの直感です。

読んでみると、
「初心忘るべからず」という言葉を多用しています。この言葉自身はすでにあった言葉ですが、
この場合の「初心」とは、
「折りあるごとに古い自己を断ち切り、新たな自己として生まれ変わらなければならない、そのことを忘れるな」
という意味です。

「老後の初心」とは、年齢と共に身についたものも多く、過去の栄光も忘れられない。同時に自分の生にも限りが見えてくる。今これを断ち切ったら、本当にもう一度変容しえるんだろうか、という迷い。
これを断ち切ること、です。

そんな危機感こそがチャンスになる。危機を避けていては成長はありえない。その選択を突きつけるのが「初心」。

これです、これ。私に必要なのは。
でも、わかっちゃいるけど.....ってやつですね。

能は、松尾芭蕉や夏目漱石などにも大きな影響を与え、「奥の細道」や「草枕」「行人」などにはそれが反映されています。「坊ちゃん」や「我輩は猫である」にも能が出てくるようです。
私も昔昔、読んだんだけど、全然気づかす。

夏目漱石は、実際に能を習っていたそうです。

やっぱり「稽古」しないと能はなかなかわからないようですね、実際のところ。

でも能の踊り「仕舞」には全く意味がない、そうです。
何か意味を求めて考えると眠たくなるそうです。
やっぱり眠たくなるんですね。

もう一つ感銘したのは、芭蕉の生き方です。
伊賀上野に生まれ、社会の上に立とうとしたけど、
時は徳川時代。伊賀者は、すでにかやの外。

俳諧の世界でも師匠など社会のシステムには必ず上がいる。
では、どうすればいいのか。そこから自由になるには「四民の方外」で生きるしかないわけです。

なんか、自分の参考になるのかな、とふと思いました。

既存の社会の外に出る。
なんかいい感じです。



図書館はお休みして
  某JR駅のスタバにて



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能の世界

tata84さん

こんばんは、40年前に読んだ能の世界で印象に残っている言葉は"秘すれば花?"だった様に思います。その当時の解釈です。
〜才能があればあるほど隠す(能ある鷹は爪を隠す)
〜歳がいくほど主役から遠ざかる、自分自身の経験を目立たない様に、脇役に徹して主役を盛り上げる(役者の世界は、主役は渋い脇役によって目立つ)。
特に〜を心掛けようと思いました。

2017/09/28 19:30:16

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