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平成の虚無僧一路の日記

普化の信奉者 堺の一路 

2017年09月12日 外部ブログ記事
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「邦楽ジャーナル」虚無僧曼荼羅 No.8  12月号
?普化の信奉者 堺の一路
私は「吸江(きゅうこう)流尺八の一路(いちろ)」と自称していますが、
実は600年前、一休と同時代に「一路」という人物がいました。
「一路は泉州(現大阪府)堺の人。ある日一休が一路を訪ね、“万法みな道あり、
一路とはいかに”と問うと、一路は“万事休めといいながら一休(ひとやす)みとはこれいかに”と返し、
二人は大笑いして無二の親友となった」という話があります。よくできた話ですが、
これは江戸時代に書かれたもので、それ以前の一休関連の史料には出てきません。
ただし一路が実在していたことは、当時の人の日記や漢詩などから明らかです。
一路も貴人の出で、作詩に長(た)け、宮中や文人の間でも知られる存在でしたが
遁世(とんせい)し、その生きざまは一休同様に自由磊落(らいらく)だったようです。
最後は食を断って自死しています。その死にざまは、棺桶に入って昇天したという普化にも
通じるところがあります。
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吸江庵の朗庵
 さて、もう一人「朗庵(ろうあん)」について、黒川道祐(? - 1691)の
『雍州府志(ようしゅうふし)』に記載があります。「雍州(ようしゅう)」とは
山城国のことで、京都の名所旧跡、寺社等をくまなく探索して、由緒、伝聞を
書き留めたものです。宇治の川辺にあった「吸江庵(きゅうこうあん)」について。
「中世異僧あり朗庵と号す。普化振鈴の作略を慕い、常に尺八を好み自ら普化道者と号す。
尺八一枝の外、一物をも携えず。大徳寺一休和尚と友として善し。
一説に虚無僧の祖たるなり」と。
その「朗庵」の絵というのがありますこの絵の上には、「余(私)が東奥行脚(あんぎゃ)の砌(みぎり)、
鎌倉の建長寺に逗留した折り、祥啓(しょうけい)という画僧が、わが体のはなはだ異なるを見て
紙に描いてくれた。それで(私が)年来の所執(しょしゅう)を述べて書く」
「龍頭を切断して以来
尺八寸中古今に通ず
吹き出す無常心の一曲
三千里の外知音絶す
文明丁酉(ていゆう)の秋、宇治の旧蘆にて朗庵」と書かれています。
「文明丁酉」は文明9年(1477)。一休は文明13年(1481)に88歳で亡くなっていますので、
一休の最晩年の頃のこととなります。
さて、この「朗庵」の絵に描かれている尺八は、異様に長く、上の方に響孔がついていますので、
中国の洞簫(どうしょう)のようです。釣り竿にはリールがついており、明らかに日本人離れした
恰好ですので、中国からの渡来人ではないかと思われます。
そして「龍頭切断」の詩偈(しげ)は、一休の没後30年ほどして書かれた『體源抄(たいげんしょう)』には
「狂雲子(きょううんし)の作」と記されています。「狂雲子」とは一休のことですから、
朗庵は一休と親交があり、一休から聞いた詩偈を書いたのではないかと、私は推察しています。
「龍頭」は「両頭」に掛けたもので、『明頭来明頭打、暗頭来暗頭打』の普化の偈に通じます。
竹の両端を切って作られた尺八から吹き出す無常心の曲は、古今東西の真理に通じ、
三千里の彼方まで普く照らし絶える」というのでしょうか。
一休から普化の存在を知り、普化の境涯を真似、「普化道者」「今普化」と呼ばれたのが「朗庵」でした。
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この絵は後世かなり知られていたようで、何点かの写しがありますし、狂言の『楽阿弥』にも
「かの朗庵の頌にも龍頭を切断し…」とのセリフがあります。また、この絵から創作されたのでしようか、
「蘆安(ロアン)という渡来人に、一休が “おまえさんの言葉はわからないが、その尺八を吹いて
全国どこへでも行ける”と諭した」というような話もあります。
「言葉はいらない、尺八一管の音で衆生を済度(ルビ:さいど)する」という虚無僧の悟りに通じます。
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図1 「一路居士」 (『秀雅百人一首』 弘化5 緑亭川柳 葛飾北斎等画 より)
図2 「祥啓筆 朗庵像」 (『日本画大成』 昭6 東方書院 より)
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風に吹かれて
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朗庵と一路を“同一人物”としたのが、林羅山の『尺八記』です。
「宇治庵主 狂雲子、一路なる者あり。共に世を避け、尺八を吹く」と。
狂雲子こと一休も「宇治の庵主」にされてます。方や一路が宇治に住んだという
記録も無いのですが、『雍州府志』の記載とミックスされて、「宇治の庵」の名は
「吸江庵」。その庵主の名は「朗庵一路」と結びつけられてしまったようです。
そして、私は「吸江流一路」を勝手に名乗っております。
一路と朗庵が同一人物とするには少々難があるのですが、そこは気にしない気にしない。
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