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民話 「ふたりになった孫」 

2017年04月26日 外部ブログ記事
テーマ:テーマ無し

ふたりになった孫 (小学校3年生向けにしたもの) 「日本のおばけ話」より

昔はね、皆さんぐらいの子供が、よその家に働きに行かされるのは普通のことだったのよ。そんな頃のお話です。
「ふたりになった孫」
昔ある村に、じいさまとばあさまが、幼い男の子を育てておった。でもなあ、貧乏なもんで、かわいい孫を、4キロほど離れた「網元さん」の家に働きに行かせることにしたんだ。
網元さん言うのはな、魚を獲る船をいくつも持っていて、漁師さんたちに魚を獲らせて商売している大きな家なんだ。じいさまとばあさまは、その家に孫を預けて、一人前の漁師にしてもらおうと思ったわけだ。
だが、こまった事に、孫はその日のうちに帰ってきてしまった。「網元の仕事はきつい。おらやんだ」じいさまもばあさまも困っちまった。「そんな、わがまま言うもんでねえぞ」「おらだちゃもう歳だで、いつまでもお前の面倒見てやれるもんでもねえ。早いとこ一人前の漁師になってもらわねえことにゃぁ、困るのはおめえなんだからな」とよくよく言い聞かせて、 うめえもん食わせて、みやげまで持たせてやっと仕事先へ戻らせた。ところが孫は次の晩も帰ってきてしまった。 また言い聞かせて、うめえもん食わせて土産持って帰らせた。ところがところが、孫はまた次の晩も帰ってきてしまった。毎晩毎晩帰ってきてはうめえもん食って、みやげ持って帰る、そんなことが続いていたある日、孫はひょっこり昼間から帰ってきた。「今日はお休みいただいたで、今晩泊まっていける」じいさまもばあさまも喜んだが、ばあさまは飯を炊きながら、小言を言った。「お前なあ、そう毎晩毎晩帰ってくるようでは、網元さんにもよう思われないぞ、もっと辛抱せねばなぁ」すると孫は、不思議そうな顔をして、「おかしいなあ、おら、今日初めて帰ってきただに」「なにいうてるだ。毎晩毎晩帰ってきては、うめえもん食って土産持って帰ってるでねえか」「いんやいんや、おら今日初めて帰って来ただよ」じいさまもばあさまも訳が分からなくなっちまった。
やがて日が暮れると、表の戸をトントンと叩く音がして、いつもの孫の声だ。「おら、いま帰ったど」じいさまはたまげちまった。「あらら、孫がふたりになっちまった。どっちが本物だべ。・・・昼間帰って来たのは今日が初めてだ。すると毎晩毎晩来てたのは、ありゃあ化けもんか」と思ったもんで、てんびん棒を構えてがらっと戸を開けた。驚いたのは外の孫だ。「じいさまじいさま おらお前の孫だぞい。そんな怖い顔して何する気だ」「うちの孫はな、奥でばあさまと喋ってるわい」それを聞くと、外の孫はくるんととんぼがえりをうって、小さな狸になった。そうして手をこすり合わせながら、「じいさま、かんにんかんにん」と拝んでいる。
それを見て、じいさまは狸の孫も可愛くなっちまった。「よしよし、おめえもせっかく来たんだ、晩飯食っていけや」これを聞くと、狸は嬉しそうにまたとんぼ返りをうって、孫の姿になった。
こうしてじいさまとばあさまと本物の孫と狸の孫は、仲良く晩飯を食べたんだって。 おしまい。

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