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平成の虚無僧一路の日記

虚無僧日記 7/18 

2016年07月19日 外部ブログ記事
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7/18 名古屋駅前の路上
3時間吹いて、お布施をくださった方は3人。
夜10時。前の石段に、一人の女性が腰を下ろした。
30歳ぐらいの美人。服もおシャレ。しばらく目を閉じて、
瞑想している。私の尺八を聞いてくれているのだろうか。
「まさか」と 心の中で打ち消していたら、
しばらくして降りてこられ、私の左横に腰を下ろして
「何か食べた? 」と、カタコトの日本語。ハーフらしい。
返事にとまどっていると「おなかすいてない?」と。
欲を捨てる修行だから「お腹すいてます」とは言えない。
「大丈夫です。夜は食べません」と答えてしまった。
彼女は手にした紙袋の中のものを私にくれようとしていた
ようだが、「食べません」と言われて困ったようだった。
「何が目的?」と。「お金です」とはさすが言いずらい。
「こうして声をかけていただく、すてきな出会いを求めているのです」と。
「お寺はどこ?」との質問に、外国人に虚無僧を説明するのは
むずかしい。
そこへ、ホームレスが割り込んできた。私の右に座って
「どこに住んでるのか」とかいろいろ聞いてくる。
かの女性は、つと立って行ってしまった。ホームレスの男が
「それを貸してみろ」というので尺八を貸した。
世が世なら『慶長の掟書』を振りかざして、手打ちにしても
咎められないところだが、今は、逆らわない、流れに任せる修行。
貸してやったが「鳴らない、難しい」とすぐ返してきた。
「なんで鳴らないんだ」と聞くから「鳴らないと思うから鳴らない、
鳴ると思えば鳴る。難しいと思うから、できない」と。
そのうち、「仕事が無い、3日も食べてない。あんたはいいな、
家はあるんだろ。オレは住む所もない。その(ゲ箱)の中にお金
たくさんはいってるんだろ。少し分けてくれ」と。
それで ゲ箱を逆さにしてみたら、出てきたのは10円玉。
彼も(私も)一瞬がっかり。さらに振ったら100円玉が 2個。
「これで全部」と 210円を 上げてしまった。彼はそれで
あきらめて行ってしまった。
一文無しになった私はそれから また立ち続けた。
するとほどなくして、カッコいい若者が近寄ってきて、
「托鉢ですか?」と。「はい」と答えると、財布から千円札を2枚も。
これぞまさに 神様 仏さまの救い。
つくづく思った。私とホームレスの違い。「難しい、できない」
とすぐあきらめるから、仕事もない、金もないのだ。
それでは虚無僧も無理。
『邦楽ジャーナル』に「虚無僧と物乞いの違い」を書こうとしていた
ところなので、よい体験ができた。すべてはプラスに。
 
 

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