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秋刀魚の味 

2015年12月24日 ナビトモブログ記事
テーマ:ドラマ

映画ファンの皆さん、おはようございます!

今日の映画紹介は「秋刀魚の味」。
BSプレミアムで2015年12月24日(木)13:00〜放送。

小津監督はこの作品を発表した
翌年の1963年(昭和38年)12月12日、
60歳の誕生日に亡くなったため、
この作品が彼の遺作となりました。

”秋刀魚”と言えば、
佐藤春夫の「秋刀魚の歌」を思い出します。
”あわれ秋風よ、情けあらば伝えてよ、
…男ありて、ひとり秋刀魚を食らいて涙を流す。
 (中略) さんま、さんま、さんま苦いかしょっぱいか”。

本作はこの詩のイメージ通りの映画です。

キャッチコピーは
”老人の孤独を浮き彫りにした、小津監督の遺作”。

平山周平(笠智衆)の事務所に同級生だった
河合(中村伸郎)が訪ねて来て、平山の娘路子(岩下志麻)の
縁談話を持ってくる。

だが、平山は妻亡き後、路子に家事一切を任せているため、
なかなか結婚させる気になれない。
まだ早いと気乗りしない返事をする。

周平は娘の路子と次男和夫(三上真一郎)の3人暮らしで
長男の幸一(佐田啓二)は妻秋子(岡田茉莉子)と
共に団地住まいをしていた。

そんな中、周平達は恩師の漢文教師だった、
通称ひょうたん先生(東野英治郎)へ記念品代を贈ることに。

ひょうたん先生はお礼にと河合等を料理屋へ誘う。
ひょうたん先生は彼等に言いますね。
”あんたは幸せだ、私は寂しい、
娘を便利に使って結局嫁に行きそびれ”とこぼす。
それを聞き河合は
”お前もひょうたんになるぞ。路子を早く嫁にやれ”と忠告する。

小津映画独特のローアングルから撮影と、
画面中央の人物の視線は真っすぐ観客を見て語りかけて来ます。
自分に話しかけられているような、その言葉は優しいですね。

例えば、嫁ぐことになった路子の花嫁姿に周平は
”うーん、綺麗だ。しっかりおやり、幸せにな”と言葉をかける。
”女の子はつまらんな。育て甲斐がない。
結局人生は一人ぼっちだ。
でも、「ひょうたん」にならないで済んだ”とつぶやく。
そして独りで飲みながら軍艦マーチを聴く周平。

”しっかりおやり、幸せにな”のしみじみとした言葉に
年老いた周平の姿は自分が重なり、泣けますね。
家族と育ち、家族を持って、ん〜、最後は独りか…。
金持ちも貧乏人も同じように迎える、これが人生だ!

蛇足。
”秋刀魚の味”で身は勿論、美味しいですけど
はらわたのあの独特の苦みも味わい難い旨さですね。
秋刀魚を食べる時はいつも、この映画を思い出します。



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旅立ち

yinanさん

SOYOKAZEさん、今晩は〜!
そうですね〜、いずれ子供は独立して家を出ていきます。
どこの家でも同じでしょう。
寂しいですが、これが現実でしょう。

笠智衆さん、飄々として、存在感がありますね。

私は、寅さんシリーズの御前様をすぐ、思い浮かべます。

2015/12/25 20:46:23

今は

さん

おはようございます。

今は男の子でも女の子でも、殆どが外に出て行きます。
でも、それでよいと思っています。
親は、可愛い子供を一人前にしたら、尻を叩いても独立させる。
夫婦でいても、いずれは一人になります。
秋の夕暮れ、一人で秋刀魚を焼いていたら、煙が目に沁みるけれど・・・
笠智衆、味のある役者さんでしたね。

2015/12/24 08:13:16

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