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平成の虚無僧一路の日記

ひらき座の 『西遊記』 

2010年11月28日 外部ブログ記事
テーマ:テーマ無し



11/28 千種文化小劇場で「人業劇団ひらき座」の
『西遊記』」を見てきた。歌あり、踊りあり、太鼓あり、
人形もあり、それで「人業劇団」だそうだ。子供や
障害者、韓国系の人もおり、総勢 50名ほどの素人
集団だが、なかなかの熱演、面白かった。

『西遊記』つまり「孫悟空」の話。今までも絵本や
テレビ、映画で見知ったストーリー。私は「桃太郎の
鬼退治」ぐらいにしか思っていなかったが、そこに
現代人に訴える視点を盛り込んでいることに感心した。

まず、三蔵法師が天竺に経典を取りに行く場面。
「国禁」を犯しても、天竺に仏典を求めに行きたいと
いう願いは、世間の常識、「例外は認められない」と
いう役人への抵抗として描かれる。

孫悟空は、「抑鬱された環境、日常のしがらみから
飛び出したい」という暴れん坊だ。

「西遊記」の「遊」という字には「冒険」という意味が
あるそうな。みな「冒険」に憧れながら、身近で冒険
する者、はみ出し者が出ると、非難し、押さえつけ
ようとする。三蔵法師と孫悟空は、その「はみ出し者」の
象徴なのだ。

そして、非力で非暴力を説く三蔵法師に付き従うのが、
孫悟空、猪八戒、沙悟浄という化け物。だが、それぞれ、
人間の「色欲、食欲、執着、内欝、自閉」といった、
悩める心の象徴とは、今まで知らなかった。

乱暴者の孫悟空に対して、三蔵法師は、「どんな悪人も
妖怪も 殺してはならぬ 」と命じる。「その者の“心”に
入って、悔悛させるよう導け」と諭す。これは「親鸞」にも
つながる。

全編を通して、人間の心の悩み、苦しみ、執着心、虐げ
られた者の怒りや苦しみ、出世や名誉に執りつかれ、民を
省みない為政者、その下で、悪政に苦しむ農民。その救い
がテーマだ。

それを「仏教」で救うのかと云うと、さに非ず。「天竺に
行って仏典を得れば、すべてが解決するかは分からぬ。
観音様とて、すべてを救う力はない。頼ってもいかん。
これは変だ、おかしいと思ったら、自ら声を上げ、立ち
上がり、行動することだ」と自力本願を説くのだ。

「西遊記」という娯楽物の中に、親子の問題、自閉症、
ひきこもり、政治の腐敗、暴力、戦争といった現代人が
抱える問題をすべて網羅し、その解決は「自ら、自発的に
生きること」と主張しているのだ。

全2時間半。シナリオを見たら、4,000行、2万字もの
セリフ。それを覚える熱意もすごい。それは、障害者、
韓国人も参加している「ひらき座」( みずから「おちこぼれ
集団 」と言っている ) だからこその、孫悟空への強い
憧れ。それが、熱演となって、感動を呼んでいるのだ。


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