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平成の虚無僧一路の日記

つげ義春『無能の人』 

2014年07月29日 外部ブログ記事
テーマ:テーマ無し



一人の女性が近づいてきた。「まだ生きてたの。元気そうじゃない」と。
元カノ(彼女)だった。

「(天蓋で顔を隠しているのに) なんで、ボクと判った?」
「虚無僧なんて、アンタしかいないでしょ。がんばって」と
言い残して 去っていってしまった。

離婚して独り者の私に「結婚してあげる。でも結婚したら
土方でもなんでも働いてもらいますからね」と言うので、
私は「働くのはイヤ」と拒否したのだった。

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帰途、伏見の地下街の小さな古本屋で「つげ義春」の漫画本
『無能の人』を見つけ、買い求める。

主人公の「助川」は「つげ義春」自身がモデルといわれる。
1991年「竹中直人」の初監督・主演で映画化されている。

主人公は、売れないマンガ家。マンガ家としては食べて
いけないので、「妻子のためにも、貧乏から脱出したい」と、
多摩川の「渡し人足」のようなことや、河原で拾ってきた
石を売る商売を始めたり、中古カメラの売買などを手がけるが、
何をやっても「ダメ男」。妻子にもあきれられ、バカにされる。

たまたま、以前書いたマンガの「原画」が3万円で売れ、
その金で、妻子を連れて温泉旅行に。といっても近場。奥多摩の
鉱泉の安宿。その宿の前に「虚無僧」がやってくる。

宿の主は喜捨しないようなので、子供に小銭を渡して
布施させる。その後の、風呂の中での夫婦の会話。
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「虚無僧さんて 虚無の僧なのかしら」
「仏教に 虚無はないよ」
「由来はよく知らんけれど、乞食みたいなものだろ」
 まあ、一種の無用者だな」
「どうゆう意味?」
「高度資本主義社会に機能しない無用の存在ってわけだ」
「役立たずの無用の人なのね」
「ははは、そうゆうことだな」
「あんたみたいじゃない!」

(しばらくあって、布団を敷いて寝る段)

「あんた 何を考えているのよ」
「虚無僧って儲かんのかな」
「私、虚無僧なんかなるのイヤよ!」

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これは昭和60〜61年にかけての作品。
バブルに影が見え始めた頃か。無能に徹する「つげ義春」の
生涯もまた壮絶。

ところで、古本屋の主は、意外にも若い(30代か?)男性だった。
頽廃的な本ばかりが並ぶ。

「“つげ”さんとか、ボクも大好きです。共感してくれて
うれしいです」と。

おいおい、まだ若いのに・・・・・・

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