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平成の虚無僧一路の日記

堀辰雄「風立ちぬ」「菜穂子」 

2013年07月29日 外部ブログ記事
テーマ:テーマ無し



宮崎駿の『風立ちぬ』。「零戦」の開発者「堀越二郎」が
モデルと思って期待してみましたが、ポスターに「堀越二郎と
堀辰雄に捧ぐ」と書かれていて、実は「堀辰雄」の生涯に
「堀越二郎」を合わせたのではと思い直しました。

さて「堀辰雄」って誰だっけ。すっかり忘れていましたが、
『風立ちぬ』と『菜穂子』を書いた作家です。私は小中学生の
時、昭和文学全集で読んでいましたが、当時“国粋主義”、
“軍国少年”を気取っていた私には、“軟弱なヘナチョロ”
として嫌悪すべき作品でした。しかし、それは私の表向きの
顔で、内心は共感をもしていたようです。

「世界に優れた戦闘機の開発」に身命を賭す「堀越二郎」
ですが、宮崎駿が描く「堀越二郎」には“男臭いガッツ”は
無く、軟弱な「堀辰雄」です。その相反する矛盾を内蔵する
ところに、この作品を理解する鍵があります。

宮崎監督の意図は、「戦争は否定するが、資源もない金も無い、
時間も無い、制約された条件の中で、最大限の知恵と技術力を
働かせる“日本人”」への賛歌でしょう。

さて では、堀辰雄の『風立ちぬ』と『菜穂子』の二つから
採った意図はどこらへんにあったのでしょうか。詮索好きな私です。


堀辰雄の『風立ちぬ』のヒロインの名は「節子」ですが、
宮崎駿のアニメ『風立ちぬ』のヒロインは「菜穂子」でした。

堀辰雄は、関東大震災で母親を亡くしています。その思いが
宮崎駿の『風立ちぬ』の冒頭ででてきます。宮崎駿監督自身
カットしようかと思ったほど、激しい「大震災」の描景でした。

また、堀辰雄自身が、結核に冒され、八ヶ岳山麓の「富士見
高原病院(サナトリウム)」に入院し、そこで出会った女性
との間にほのかな恋心を抱きます。それが『風立ちぬ』の
「節子」であり、「菜穂子」です。「節子」は婚約者に
愛されつつ若くしてこの世を去ります。

「菜穂子」には「黒川」という夫がいます。高原の病院に
一人の男性が訪ねてきます。それは、昔、長野県の追分で
出会った幼なじみの都築明という人物でした。この男性は、
おそらく「堀辰雄」自身なのでしょう。「淡い何か」が
起きそうな気配はあるものの、結局は何もないまま都築は
去って行きます。

菜穂子は高原の療養所を抜け出して中央本線に乗って
東京に出てきてしまうのです。このような話が、宮崎アニメの
『風立ちぬ』では「堀越二郎」の話として使われているのです。

ちなみに、「菜穂子」の夫の「黒川」という名前は、宮崎
アニメでは「堀越二郎」の良き理解者である「課長」の名
として使われています。

病魔と闘いながらも儚(はかな)くも美しく散っていく命と、
不器用に生きる人間、そして「大震災」にも「戦争」にも
めげず生き抜く人間へ向けられた宮崎駿監督のは限りない
愛情が、このアニメに詰められている。それが、感動を
呼び起こしているのでしょう。

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