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平成の虚無僧一路の日記

天から響く尺八の音 

2013年05月30日 外部ブログ記事
テーマ:テーマ無し



私は、子供の頃、夏休みには母方の叔父の家に遊びに行って、
叔父から尺八を習った。叔父の名は「山室重遠」。耳鼻咽喉科の
開業医だった。「重遠」は「徳川家康の遺訓」「人生は重き荷を
背負って遠き道を行くが如し」のから名づけられた名前だ。

「重き荷を背負って遠き道を行くなんて、やだなぁ」と、豪快に
笑い飛ばしていた。昼間は いつも明るく賑やかに振舞っていたが、
夜は自室で独り酒を飲みながら、深夜遅くまで尺八を吹いていた。

敷地500坪、部屋数50以上もある豪邸だから、近所迷惑にならない。
夏などは窓を開け放って吹くのだが、「200メートル先の〇〇さん
宅まで聞こえるそうだ」と豪語していた。それほど豪快な尺八だった。

ある晩、すばらしい尺八の音が一階の居間にいる私たちにまで
聞こえてきた。すぐ鳴り止んだが、「また叔父さんが吹いている」と
思っていたら、叔父が居間にはいってきて言う。

「今の伸ちゃんかい?」と、みんな「ぎょっ!」と顔を見合わせた。
叔父は風呂に入っていて、風呂場まで聞こえてきたと言う。
私は一階の居間にいた。住込みのお手伝いさんたちの部屋に行って
「今尺八聞こえた?」と聴くと、皆「聞いた聴いた」という。

二階の叔父の部屋には誰もいなかった。ラジオもテープもかかって
いない。屋敷全館に鳴り響いたあの音は何だったのか、今もって
不思議でならない。

あの天から響き渡るような尺八の音を私は今でも鮮明に記憶している。
あの音に近づきたいと、今でも思って努力している。

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