『歌舞伎鑑賞教室&ナビトモランチ交流会』イベントレポート

7月6日のナビトモイベントは、国立劇場での歌舞伎鑑賞教室。「菅原伝授手習鑑 一幕 ‐車引‐吉田社頭車引の場」と「棒しばり」を、
若手歌舞伎俳優、坂東新悟さんと中村玉太郎さんによる解説つきで楽しみました。


『歌舞伎鑑賞教室&ナビトモランチ交流会』イベントレポート

『歌舞伎鑑賞教室&ナビトモランチ交流会』イベントレポート 坂東新悟さんは坂東彌十郎さんの長男で28歳、中村玉太郎さんは中村松江さんの長男で19歳。着物姿で登場した素顔の二人は、さわやかなイケメン。“教室”と言っても、堅苦しさなどみじんもなく、舞台や用語を二人がコミカルな掛け合いで解説してくれるのを聞くうちに、すっかり歌舞伎の世界に引き込まれていました。

『歌舞伎鑑賞教室&ナビトモランチ交流会』イベントレポート

『歌舞伎鑑賞教室&ナビトモランチ交流会』イベントレポート 歌舞伎俳優たちが顔見世の意味を含めて、お客様の近距離を歩く花道(3)。主役はその花道の、舞台から三分、後方から七分のところ(七三)で見得を切ったり、朗々と台詞を語って、見せ場を作ります。その時、客席からはその俳優の屋号(音羽屋、成田屋など)とともに、「日本一!」などのほめことばが掛けられます。なんとなく聞き覚え、ありますよね?この七三の場所には、リフトがついた切れ込みがあって、俳優がせり上がったり、消えたりします。これをスッポン(4)と言うそうですが、ここから登場するのは超人間的なもの(幽霊、妖怪、忍者など)であることが多いそうです。舞台は大きな丸で切り抜かれ、そこが回転することで幕を閉めずに場面転換していきます。両袖には床(7)と下座(6)という音楽用のスペースがあります。



『歌舞伎鑑賞教室&ナビトモランチ交流会』イベントレポート 床は、情景や人物の心情を語る、いわばナレーターのような役割の義太夫節の太夫さんと、伴奏の三味線奏者がいるところ。下座には、客席から中が見えないように細い窓を切ってあり、そこに太鼓、笛、三味線、鼓、太鼓、半鐘、ドラ、木魚、鳥や虫の音を奏でる笛が置かれ、場面によって演奏されるのだそう。最後に萌黄色(緑)、柿色(オレンジ)、黒の三色に染め分けられた引幕(ひきまく)「定式幕(じょうしきまく)」の説明がされ、SNSのための撮影会が終了すると、拍子木のチョーン、チョーン、チョン、チョン、チョン、チョンの音で幕が開き、「菅原伝授手習鑑‐車引‐」が始まりました!

『歌舞伎鑑賞教室&ナビトモランチ交流会』イベントレポート

『歌舞伎鑑賞教室&ナビトモランチ交流会』イベントレポート 「菅原伝授手習鑑‐車引‐」はそれぞれ筑紫国(福岡県)の大宰府に流された菅原道真、彼を陥れた藤原時平、道真が流されるきっかけを作った天皇の弟・斎世親王と、別な主君に仕える三つ子、松王丸、梅王丸、桜丸の数奇な運命を描いています。この芝居が書かれた当時、話題となっていた大阪の三つ子の要素を取り入れたと言われており、兄弟や時平のそれぞれ異なる隈取(くまどり)や荒事(あらごと)の扮装を見ることができ、飛び六法や見得など様々な歌舞伎様式や演技も見られるお得な一幕。先程解説してくれた新悟さんが桜丸役で、玉太郎さんが時平の従者役で登場し、より親近感を持つこともできました。

『歌舞伎鑑賞教室&ナビトモランチ交流会』イベントレポート 狂言(能舞台で演じられる喜劇)が基になっている「棒しばり」は、能舞台に描かれる松の絵を背景に演じられる、にぎやかな喜劇です。一人は一本棒に両手を伸ばして縛り付けられ、一人は後ろ手に縛られた、二人の酒好きの家来太郎冠者と次郎冠者が、主君の留守中になんとか協力してお酒を飲もうとするお芝居。二人が酒を注ぎ合い、飲ませ合う様子を、滑稽な踊りとして見せてくれます。このバラエティに富んだ二つの演目によって、歌舞伎がグッと身近なものになりました。「‐車引‐」で松王丸を演じた尾上松緑さんが次郎冠者を、時平を演じた坂東亀蔵さんが太郎冠者を演じられたことで、歌舞伎俳優の芸の幅広さを短い中で拝見することもできました。
歌舞伎教室終了後は、併設のレストラン「十八番」でランチ懇親会が催されました。お席に用意された特別弁当に舌鼓を打ちながら、テーブルごとに先ほどご覧になったばかりの歌舞伎について、ご自身の活動について、話題は尽きず、お話が弾まれたようでした。 きっかけがないと垣根が高く感じられてしまう歌舞伎も、こうやって皆さんで見ることでより身近に感じられ、もっと知りたいと思うもののひとつとなったのではないでしょうか? 次回のナビトモのイベントもご期待ください!

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