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読書日記
『霹靂』 読書日記203
2023年05月25日
テーマ:読書日記
上田秀人『霹靂』光文社文庫
著者の「総目付臨検仕る」シリーズの5冊目。考えて見ると、ただいま進行中で私が読んでいる著者のシリーズは「武商繚乱記」シリーズ、「日雇い浪人生活録」シリーズ、「隠密鑑定秘録」シリーズ、「勘定侍 柳生真剣勝負」シリーズと全部で5つある(この他に「高家表裏譚」シリーズ、「裏用心棒譚」シリーズなども進行中だが読むことを止めた)。
そして、この水城聡四郎を主人公とするシリーズ自体も名前を変えつつ合計26冊あり、この本で31冊目。また、著者の出版200冊目に当たるという。まあ、聡四郎の役職が変わる度にシリーズ名が変わるのであるから、ある意味聡四郎の出世物語であるとも言えよう。
さて、広告文によると
幕政改革に邁進しようとする八代将軍・徳川吉宗の先兵として奔走する惣目付の水城聡四郎。「江戸城の頭脳」である奥右筆、徒目付、そして、「江戸城の監察」目付と手を入れようとしたが、逆に「陰謀」を逆に仕掛けられてしまう。手柄と褒められこそすれ、叱られるはずの行いで、なぜか聡四郎に謹慎が言い渡されてしまう――。人気作家・上田秀人200冊目となる記念碑的作品。「惣目付」シリーズ、第五弾。
ということになるけれど、これは冒頭に近い部分で、話の起点にしか過ぎない。なぜか、聡四郎はこの謹慎命令が吉宗の命では無いことを知りつつ唯々諾々と従うが、それも対目付との争いに自信があってのこと。ただ、聡四郎の昇格を面白く思わない老中の1人がこれを機会に聡四郎の暗殺を試みる・・思えば、当初の頃より聡四郎の剣の腕は格段に上がっている。
評定を受ける為、登城する聡四郎(従うは小者1人だけ)を一団が襲うが、それを難なく斬り抜け聡四郎はわださそのままの乱れた姿で評定の場に臨む。しばらく、登場していなかった聡四郎の剣の師である入江無手斎も平行して語られる一巻であった。
(2023年5月11日読了)
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